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2007.02.09
政治行政 [東日ニュース]News&Topics

絶滅危惧種移植で賛否

東日新聞
名古屋で開かれた第7回設楽ダム建設事業環境影響評価技術検討委員会
 国土交通省設楽ダム工事事務所(新城市、山内博所長)の諮問機関・設楽ダム建設事業環境影響評価技術検討委員会(委員長=松尾直規・中部大学教授、委員7人中6人出席)の第7回委員会が8日、名古屋市中区、KKRホテル名古屋で開かれた。準備書に対する知事意見を踏まえ、「評価書」作成に当たっての考え方が示され、委員の意見を聞いた。その中で、ネコギギなど絶滅危惧種の移植について「安易な移植は遺伝子のかく乱になり危険だ」とする慎重論と「新しい環境で生息できるなら結構だ」とする積極論が出て、委員の間で意見が分かれた。

 同技術検討委はおよそ1年ぶりに開かれた。環境影響評価準備書に対する流域市長や住民の意見を踏まえた知事意見が昨年暮れに届き、準備書が完成。この日、事務所が知事意見の検討結果を踏まえ、「評価書」作成に対する考え方を説明し、委員から意見を聞いた。

 水環境、動物、植物、生態系、大気環境、景観、人と自然との触れ合い活動の場、廃棄物の各項目について説明し、修正を行う必要の有無を紹介。修正個所と方法については方針を明らかにした。修正に伴う追加調査の必要はなかった。

 委員意見の多くを占めたのが貴重種の移植問題。知事意見にも慎重に行うよう明記されていた。これまでの調査で、動物では天然記念物・ネコギギなど4種、植物ではムギランなど16種が対象になっている。

 この日はネコギギを例に挙げた移植論が中心になった。ある委員が「やむを得ず移植するならば『やむを得ず』の根拠を説明すべきだ」と口火を切った。山内所長が昨年春ごろから移植実験を重ね成功していることなどを紹介したところ、別の委員から「遺伝子をかく乱するといった問題もある。容易に別な場所に移植するといった考えはどうか」といった意見が出され、「標本で残すのも1つの方法だ」など同調する意見が続いた。

 これに対し、ある委員は「絶滅危惧種を残すのが先決。新しい環境で生息できれば結構なことだ」など反論があった。ネコギギの移植については、後日検討経過が公表される。関連して外来種問題なども出た。山内所長は「慎重に検討し、改めて専門家の意見を聞いて対応したい」と回答。

 ほか改めて調査範囲などについても意見が出された。山内所長は「三河湾の汚れや宇連川の生息環境などは設楽ダム建設事業アセスの範囲を超えている。別な形でフォローすべきだ」と説明した。
 同委員会は評価書原案ができた段階で第8回委員会を開いて終息。続いて知事意見に基づいた「環境監視」(建設経過フォロー)を行っていく環境モニタリング委員会の設置が提案され、了承された。

 評価書は今年度内をメドに作成し、国土交通大臣および環境大臣に送付。意見を求めた上で補正を加え、県知事および関係市町村長に送付し、今年夏から秋にかけて公告・縦覧する予定になっている。


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