ベトナムでビジネス展開/豊橋技科大OBにノウハウ伝授/新城市のみかわ元気ものがたり社長
2024/04/23
ダナン工科大学を訪問。正門で鈴木さん㊧と篠原さん
海外を舞台にして働ける若者を育てたい―。海外業務に力を入れる新城市のベンチャー企業の社長は、在学中に豊橋市で起業に加わり豊橋技術科学大学大学院を修了した若者一人とベトナムでビジネスを展開した。これまでに培ったノウハウを伝えたい思いがある。肌で感じた若者は「勉強になった」と感謝する。豊橋市の「emCAMPUS(エムキャンパス)」で近く帰国報告会を開き、こうした模様を紹介する。
■人脈の大切さ
2人は、ベンチャー企業「みかわ元気ものがたり」社長の鈴木達也さん(65)と、学生支援などを進める「Lirem」役員の篠原海斗さん(24)。鈴木さんは「海外に視野を広げたい」と思っている篠原さんを誘い、3月末までの9日間、ベトナムのフエ、ダナンを訪れた。訪れたのはともに6回目。
取引先の人材派遣会社との商談のほか、お茶やカレーのスパイスがホテル、レストランで売れるかどうかを探り、ドローン(無人航空機)の技術提携先のダナン工科大学、ダナン大学ソフトウエア開発センターのオンライン授業の日程を詰めるなどが目的だった。
篠原さんは秘書、記録・写真係を務めた。その中で最も驚いたのがダナンのホテル「ダナン三日月」を訪れた時だった。ホテルは昨年6月、将棋の「棋聖戦」の第一局で藤井聡太名人が対戦者と対局した会場だ。
エムキャンパスで知り合った警備会社の仲介で紹介された系列のダナンにある警備会社の伝手で面会が実現した。
「(鈴木さんから)人とのつながりを大切にしていることを教えられた」と感心した。そのうえで「経済が発展し、エネルギーを感じた」とベトナムのビジネスの開発に期待があると総括した。
■ノウハウ伝授
みかわ元気ものがたりは2011年の設立。東三河を中心としたコンサルタント業務のほか、地元特産品を世界へ売り込み、東南アジアの大学生を中心にインターンシップの受け入れ、外国の技能実習生らを日本企業に橋渡しをするなど海外業務を重視する。
一方、Liremは21年、技科大の学生によって立ち上げられた。現在、OB、現役ら約10人が名を連ねる。篠原さんは技科大を経てこの春に大学院を修了したが、22年から関わっている。
2人は、ともにエムキャンパス5階のコワーキングスペースの会員。昨年1月ごろに知り合った。
鈴木さんは「後継者の育成は大切だ。海外の市場に関心があるなら、そのノウハウを伝えたい」という考えだ。篠原さんは「(鈴木さんの)海外での仕事ぶりを肌で感じ、よりイメージが膨らんだ。もっと現地を知るために足を運びたい」と意欲を燃やす。