中部ガスのガス販売量伸びる

2007/08/15

 10日に2007年12月期の中間決算を発表した中部ガス(豊橋市白河町、中村捷二社長)は、中間期として過去最高の売上高182億1800万円を記録した。今期末の売上高予想も06年12月期を7・9%上回る358億円を見込むなど、ガス販売量の伸びに合わせ、順調に売り上げを伸ばしている。

 販売量が伸びているのは、おもに工業用の需要拡大。原油高が大きな理由だ。原油価格が上昇したことで、石油と天然ガスのエネルギーコストが逆転。工場などでは、石油から天然ガスへシフトする動きが出てきた。石油に比べ、炭酸ガスの排出量が少ないなど環境面からも天然ガス事業に追い風が吹いている。

 この動きは、同社にとっていい流れだが、全面的に喜べる状況でもない。石油から天然ガスへのシフトは、この地域だけではなく、世界的な流れ。ここにきて天然ガスの需給がひっ迫してきた。生産量の増加を上回る需要の伸びがある。

 現在の需要に対しては「安定供給に努める」としているが、新たな工業用需要に応えられないでいる。大規模な工場1件の使用量は、同社の豊橋市内一般家庭への全供給量の半分から同程度といわれるため、需給環境が改善するまで、大口の需要に応えるのが難しい。売り上げを伸ばすチャンスに大口需要客を増やせないジレンマにある。需給のひっ迫で原料コストの上昇など、利益を圧迫する要素も出てきた。

 供給体制が整えば販売量が伸びる法人需要に対し、一般家庭ではガスを使わない「オール電化」の波が押し寄せている。

 「オール電化は、新築では脅威」(松井和彦常務)と同社経営陣も警戒している。しかし、火を使った料理のよさが見直されているなど、逆風ばかりではない。一時的にオール電化に押されることはあっても、消費者が電気とガスをうまく使い分けるのではという声もある。

 天然ガスは、原油高や環境をキーワードに注目され、利用範囲がさらに広がる可能性を見せている。

    (小野間博幸)

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