伸び悩み「このままでは…」

2012/04/12

緑化されたトヨハシ種苗の駐車場(豊橋市提供)

 豊橋市が昨年度から始めた、住宅やビル、駐車場など民有地の緑化工事費を一部助成する制度の採択件数は3件400万円で、県から割り当てられた予算2000万円を大幅に下回ったことが分かった。

 「民有地緑化助成制度」は都市の景観改善や二酸化炭素の削減などを目的に、県が2010年度に導入。森林環境税「あいち森と緑づくり税」を財源に市町村の助成金を交付する仕組みで、各自治体は市街化区域内で行われる緑化の取り組みを支援する。

 緑化の対象は、屋上▽壁面▽空き地▽駐車場―で、おおむね80平方メートル上の緑化面積が必須条件。ほかにも草花を植えた場所が人の目に付きやすく、緑化率が敷地の20%以上を占めるなど、いくつかの評価基準のうち1つ以上を満たす必要がある。生け垣は長さ50メートル以上で、道路に60%以上が面していないといけない。

 豊橋市には昨年度、10数件の問い合わせがあったが、市街化調整区域内だったり面積が80平方メートル以下だったりしてほとんどが条件をクリアできなかった。景気が低迷する中、工事費の補助率(2分の1、上限500万円)がネックとなり、応募を断念する企業もあったという。

 結局、採択されたのは、トヨハシ種苗(向草間町・253平方メートル)▽一般住宅(舟原町・95平方メートル)▽大正冷蔵(湊町・116平方メートル)。すべて駐車場だった。助成額は3件で計400万円。県の補助2000万円に対し、5分の1しか使われなかった計算だ。

 応募しやすくするため、豊橋市は県に条件を緩和するよう働きかけているが、反応は芳しくないという。助成金は、県民が一律に負担している県税が財源。市の担当者は「豊橋で使われない分は、よその市町村に回されてしまう」と指摘。本年度分では採択件数を増やし、「できるだけ地元に還元したい」と話す。

 ある地域での緑地面積の割合を示す緑被率は、豊橋市の場合、市街化区域で28%。中心市街地に限ると6%しかなく、緑化を進める余地は残されている。

 制度が十分に周知されていないとの指摘もあり、市は今後、チラシ配布のほかイベントでPRしたりツイッターを活用したりするなど宣伝に力を入れる計画だ。
 助成制度に関する問い合わせは市公園緑地課=電話0532(51)2654=へ。(中嶋真吾)

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