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超音波の世界ブランドを

「TOPインタビュー」(下)本多洋介社長/本多電子

2014/06/18

本多電子の本多洋介社長

超音波に特化した研究開発主導型企業の本多電子。昨日に引き続き、同社本多洋介社長に、同社の特長や今後の事業展開などについて聞いた。※聞き手、 東海日日新聞社・白井収社長

同社製超音波振動子など

常に研究開発/ニッチ分野をグローバルに

—自立型企業であり続けるための強みは何か
 超音波を発振する圧電セラミックス自体を自社で内製し研究開発を進めているので、センサーに対する評価は非常に高い。たとえ製品で競合しても、まったくのコンペティターではなく、製品の一部に当社のパーツを組み込んでもらえるという点からいけばお客さまになり得る。超音波メーカーは数あれども魚群探知機から超音波画像診断装置、同洗浄機までやっているのは世界でも当社だけ。理由は効率が悪いからだが、超音波に特化した技術開発にこだわったがゆえに今の事業展開がある。

—シェア1位など量の経済は魅力だと思うが、特定分野を守るために戦う部分もあるのではないか
 レジャー用小型魚群探知機のシェアは日本一だが世界ではまだまだ。ただ、シェア世界一よりもどの国のどの漁業においてはトップシェアだということが重要で、ある特定分野において「超音波の世界ブランドを確立しよう」と社内に宣言している。「本多の製品を使わないと駄目だ」というニッチな市場をグローバルに作っていく戦略が大切だと思う。

 そのためにも市場で利益を出しているうちに次なる展開への投資をしていかなければならない。研究開発は金食い虫でリスクもある。当社は研究開発費という固定費を抱えているようなものでリスクを伴うが、リスクがなければ得るものもない。リスクを抱えるのはどの企業も同じだろうが、そのリスクを経営者の覚悟としてどこに持つかだと思う。

海外拠点を積極的に展開

—軸がぶれずにいられた理由は
 人材によるところが大きいと思う、とくに技術者。技術開発は試行錯誤の連続で、失敗に屈せず続けられるような、社会的にみるととても特徴的なエンジニアが必要。個性的な人たちが組織に違和感なく入り、力を発揮してもらうためには、彼らをしっかりとみてビジネスにつなげていかなければならないし、常に自分自身がニュートラルでいられるように心がけている。

 また、成長パターンを見せないとみんなの士気は上がらないので、将来的な夢や展望も掲げている。「売上60億達成して60周年のお祝いを盛大にやろう」、「2030年に超音波の会社として世界ブランドを確立しよう」、「2020年までにパフォーマンス証明書を付けよう」など。

—世界ブランドの確立のために準備していることは
今まで日本が拠点だったが今後は海外へブランチ(駐在所)を作っていく。昨年7月にアジアの拠点としてタイにブランチを作ったが、次は2016年ごろアメリカを予定。情報を集めその国に特化した駐在員を置き、場合によっては開発部隊も置くなど超音波の世界ブランド確立のため海外展開も力を入れていきたい。

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