東三河データファイル 

100年見据え、内と外へ

「TOPインタビュー」(下) 小野達朗社長/オノコム

2014/11/28

オノコムの小野達朗社長

昨日、東海日日新聞社運営の「東三河データファイル」に参画したオノコム。昨日に引き続き、同社小野達朗社長に、80周年を節目にした今後の事業展開などについて聞いた。※聞き手、東海日日新聞社・白井収社長

80周年記念し撮影

小工事をV工事で増益

—就任後、設計施工からプロデュース業へ発展させた具体的な取り組みは
 大きく変えたのは小規模な工事の扱い。タイル1枚、看板1枚の話など、小さな仕事を当時社内では小工事と称していた。実は新築の建物を造る話はそういった小規模な工事がきっかけとなって、プロジェクトになったり、受注につながったりしている。現に地元大手メーカーとの取引も工場のタイルが1枚はがれたのを現会長が施行したことから始まっている。

 リーマンショック後は、こういった小工事のことを決して小さな仕事とは考えず、価値ある工事(Valuable 工事)という意味と、業績V字回復ともかけてV工事と改めた。前期最高の業績が出せたのもそれが大きい。あるチェーン展開をしている物販店舗では、V工事だけで年間数百件もある。新築工事となると競争が激しいが、メンテナンスなどが多いV工事になると、利益率も高く、単価は小さくても集まれば大型物件1件くらいの利益が出ることもある。きめ細かく対応することに当社の存在する意味があると思う。

 顧客からの紹介が多く、まずはV工事から仕事を認めてもらい新築工事につながることも多い。

—業界の中でも社内IT化が進んでいると思うが
 現在社内インフラはグーグルのサービスを使っていて、スケジュールをはじめ予算管理などもクラウド上で行っている。2年連続でグーグル活用例として同社から表彰を受け、今年も同社内でプレゼンをした。ドローンを使い、現場を空撮して、工事の進捗状況の説明に活用している現場もある。

 「なければつくる」はゼロから作ることもあるが、既存のものにアイデアを加え組み合わせる、組み合わせの妙も重要。

2つの新会社/オノコムアジアとオノ工務店

—80周年の節目迎え今後の展開は
 構造的リスクとして日本の人口減少は逃れられない現実だが、視点を広げると日本周辺国は今後も人口が増えていくし顧客も周辺国へ出ている。タイは日本企業が進出し15年以上経ち、当時スーパーゼネコンが建てた工場に手を入れるV工事のニーズもあることから、来春に現地法人「オノコムアジア」を立ち上げバンコクに進出する。

 また今、職人さんの減少と高齢化が深刻である。現在、協力業者会「オノ会」の皆さんと協力して別会社、職人さんを有し育てる会社を準備中。23年前に小野工務店からオノコムになったが、80周年を節目に「オノ工務店」として復活させる。

 若手人材のモチベーションをあげながら、今後も社内のネットワークを密にし、グループ力でもって次の100周年を迎えられるよう進んでいきたい。

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