東三河データファイル 

次世代農業の発信拠点

【トピックス】大規模農場経営ノウハウ蓄積し全国へ/下水処理熱を活用・イノチオファーム豊橋/イノチオみらい/イノチオグループ

2017/02/15

 東海日日新聞社運営の「東三河データファイル」に参画を始めたイノチオグループ(石黒功社長)。本面では、同グループの「イノチオみらい」が主体となって取り組む次世代農業の拠点「イノチオファーム豊橋」を紹介する。

 「イノチオファーム豊橋」は、次世代の施設園芸の可能性を探る農場として一昨年夏、豊橋市新西浜町に完成。一部稼働し、昨秋、初めてミニトマトの収穫を行った。

 「地域エネルギーを活用して化石燃料使用量30%削減するという農水省の補助金事業を、農業王国である愛知県で実践し、さらに農業に強い地域にしていきたいと思ったことがきっかけ」と同農場を主体運営するイノチオみらいの大門弘明社長。約2年前から行政や農協などに働きかけ、同グループ各社ほか農業関連企業、サイエンスクリエイト、JA豊橋、豊橋技科大、愛知県、豊橋市から成る「愛知豊橋次世代施設園芸推進コンソーシアム」を立ち上げ、国の補助金を活用して昨春から同農場の運営をしている。

 同補助金事業の必須条件である「地域エネルギーの活用」として同社が着目したのが豊川浄化センターの下水処理熱だ。同センターの放流水は地下を経由して集められる下水温度が高く、微生物処理の際に発生する熱などもあり、厳寒期でも約19度ある。同ハウス内には地中にポリエチレン管を埋め、同センターからの放流水を流し込み、内部に風を送り込むことで効率良く熱交換する大風量・省エネルギー型システム「ジオ・マックス」をメーカーと共同開発し利用している。

 同グループでは、産学官連携事業として取り組むIGH(豊橋市太陽光利用型植物工場)で、すでに大玉国産品種トマトの収量 10アールあたり 50トンを達成しているが、同農場でもその栽培技術を生かした根域管理や環境制御を実施。ほかにも従来 50%にとどまっていたハウス内での養液栽培における排液のリサイクル率100%実現や、農地再生を視野に入れ、ヒモを使わない誘引方法を考案するなど、データ管理と生育状況の調査をしながら「安心・安全・安定」を実践する栽培技術確立のために、さまざまな実証を重ねている。

 さらに同農場設立の大きな目的のひとつに、大規模圃場(農場)経営全体のノウハウの蓄積がある。

 同グループでは農業の担い手を確保し日本の農業を発展させていく上で、大圃場経営も重要な要素と考えるが、まだまだ日本には大圃場経営の成功事例が少ないのが現状。大門社長は「大圃場の場合、ただ単に栽培技術や設備を整えるだけでは駄目で、人材育成やそこで働く人の管理が必要不可欠。雇用をゼロからスタートさせた場合の作業マニュアルから、収量や作業能力、季節に合わせた労務管理など100人規模の雇用を前提とした労務管理システムを作る必要がある。今後もさまざまな実証を重ねながら、栽培技術、設備管理、労務管理まで整った大圃場経営の日本スタイルを確立させ、全国に広めていけたら」と意欲を燃やす。

 同農場は今年度末に圃場面積3・6ヘクタールを全面稼働し、4年後、ミニトマトの目標収量10アールあたり21トンをめざす。

2017/02/15 のニュース

イノチオみらいのメンバー(右端=大門社長)

イノチオファーム豊橋ハウス内

ハウス内で実るミニトマト

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