県鳥、市鳥の「コノハズク」絶滅危機

今春7年ぶり「ブッポーソー」の鳴き声確認も、推定で20~30羽まで減少

2017/09/30

 愛知県、新城市を象徴する鳥「コノハズク」が、地元からその姿を消そうとしている。県内唯一の繁殖地とされる鳳来寺山では、今春の現地調査で約7年ぶりに鳴き声を確認できたが、個体数は推定20~30羽まで減少を続けている。近い将来、地域のシンボルとなった県鳥(市鳥)を、県内で見られない日が来るかもしれない。

 新城市鳳来寺山自然科学博物館では、97年から生息調査を実施。夜行性で活動が活発化する夜間に録音機材を用い鳴き声を調べ、今年5月13日の調査では約7年ぶりに鳳来寺山北側の本谷付近で鳴き声を確認した。

 調査には、加藤貞亨館長や同市環境部の山本光昭部長、博物館友の会メンバーらが同行し、2日間にわたって暗闇の中で小さなコノハズクを探し続けた。

 加藤館長によると同13日午後11時と同14日午前2時の2回、鳳来寺山天狗岩方面の尾根付近から、遠くの方でかすかに「ブッポーソー」の鳴き声を確認した。約7年ぶりの快挙に、加藤館長は「このまま鳳来寺山にとどまり、繁殖してくれることを祈るのみ」と期待を寄せた。

 コノハズクは全長約20センチ、体重60~75グラムで日本最小のフクロウの仲間。独特の鳴き声ブッポーソーから、仏教の三宝「仏・法・僧」につながるとされ、地元では「ブッポウソウ」と呼ばれ長く親しまれてきた。

 奥三河には、繁殖期(4月下旬~6月上旬)に訪れ、秋には東南アジアなど南方へ飛び立つとされているが、まだ謎の多い鳥で姿を見ることも非常に難しい。

 1970年代前半までは、鳳来寺山をはじめ鞍掛山や明神山、岩古谷山、豊根村富山地区に数多く生息していたが、スギやヒノキが植林され営巣に適した樹洞が減り、エサとなる昆虫が減少したことで、その数は激減の一途をたどっている。

 2002年には、絶滅の恐れがある野生生物を集めた「レッドデータブックあいち」で絶滅危惧1A類に分類された。

 同館では、個体数の減少に歯止めをかけようと、鳳来寺山全域に約80個の巣箱を設置し、繁殖を促しているが、営巣はまだ確認できていない。

 2015年には左目内出血、両翼と両足マヒ状態の飛べないコノハズクを保護し、ケガを癒やし無事に野生へ返す取り組みを行った。

 加藤館長は「鳳来寺山とコノハズクは密接な関係がある。地元の人々と一緒に生息環境を整え、多くの人にコノハズクの現状を伝え、復活への活動を進めていきたい」と話した。

2017/09/30 のニュース

愛知県絶滅危惧1A類となったコノハズク

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