超小型人工衛星「がまキューブ」製作佳境

地域の職人と大学の英知結集/宇宙から光発する姿「お楽しみに」/来年度JAXAへ引き渡し

2018/01/25

 愛知工科大学(蒲郡市西迫町)の工学部と地元企業が取り組む、超小型人工衛星「がまキューブ」の製作が佳境を迎えている。地域の職人たちと大学の英知を結集させて試行錯誤を繰り返し、完成に近づいている。西尾正則教授は「ゼロから物作りを進めてきた。完成に向けて歩みを進めていきたい」と意気込む。

 「がまキューブ」は、来年度にJAXA(宇宙航空研究開発機構)に引き渡し、H2Aロケットに相乗りして宇宙へと飛び立つ。製作は、昨年11月に外枠が完成し、現在はJAXAの仕様に合わせて調整中。回路や電子部品も2月上旬ごろに組み上がる。

 人工衛星の製作にあたり昨年5月、同大学や市内の金属加工業7社による「超小型衛星部会」が発足。メンバーは定期的に集まって、宇宙空間に耐えうる外枠の製作に励んでいる。

 11月に完成した外枠の試作品は、後付けの部品と型が一致しないことが判明。今月21日夜に部会メンバーと西尾教授が集まり、枠の修正法について意見を交わした。メンバーは、あらゆる組み立ての可能性を模索しながら、ミリ単位の加工を施している。西尾教授は「製品化など、将来のことを考えて使いやすさも追究している」と話す。

 西尾教授は、電子制御やロボット工学、宇宙システムを専門とする。専門外となるフレームの設計を初めて担い、完成後に設計の誤りが判明したこともあった。「図面上では分からない部分もあり、苦労した」と苦笑いする。

 部会の会長は、蒲郡製作所(御幸町)の伊藤智啓社長が務める。同社は以前、JAXAから小型衛星の製作に関する仕事を受注。過去の経験や知恵を生かして技術を提供している。伊藤社長は「地元の技術者が関わることで、地域の活性化にもつながる。今回の経験が各社の発展につながってほしい」と先も見据える。

 「がまキューブ」は、2月下旬ごろに、耐久試験を実施。その後に「フライトモデル」に仕上げてJAXAへと引き渡す。西尾教授は学生や技術者のアイデアをまとめる苦労も感じながら、製作は終盤を迎えた。

 衛星は10センチ四方のサイズで、搭載したLEDの光は地上から目視できる。「宇宙から、光を発する姿を楽しみにしてほしい」と話している。

2018/01/25 のニュース

「がまキューブ」の製作について意見を交わす西尾教授=左から2人目=ら(愛知工科大学で)

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