63億円請求命じる

ユニチカ跡地の売却巡り豊橋市に名地裁/「返還せず転売は不法」認定

2018/02/09

 大手繊維メーカー「ユニチカ」(大阪市)が豊橋市から無償提供された土地をめぐり、同社が工場を閉鎖したのに市に返還せず売却したのは契約に反するとして、売却代金63億円の損害賠償を同社に請求するよう住民130人が佐原光一市長に求めた訴訟の判決が8日、名古屋地裁であった。市原義孝裁判長は住民側の訴えを認め、市長に全額を請求するよう命じた。

 判決によると、豊橋市は1951年、同社の前身の大日本紡績に工場用地として旧軍用地(約27万平方メートル)を無償提供した。その際に交わした契約書に「将来、敷地の内で使用する計画を放棄した部分は市に返還する」との記載があったが、ユニチカは2015年4月に工場を閉鎖し、跡地を大手住宅メーカー「積水ハウス」に63億円で売却した。

 契約にある「部分」という表現を根拠に工場が閉鎖した時の定めがないとする市の主張に対し、市原裁判長は「返還対象となる『部分』が土地のうち全部と理解することも可能だ」と指摘。全面撤退の場合にも返還義務を負うべきと判断した。

 その上で、ユニチカが跡地を返還せず第三者に売却したことについて、豊橋市の権利や利益を侵害する不法行為にあたると認めた。

原告団「市長には大いなる自戒を」

 原告団長を務める宮入興一愛知大名誉教授(75)は判決後に記者会見し「市民の勝利だと確信している。行政に勝手な真似はさせない」、弁護団長の長屋誠弁護士は「佐原市長には大いなる自戒をしてもらう必要がある」と述べた。

 市の担当者は取材に「判決文が届いていないので何もいえない。弁護士と相談して今後の対応を考えたい」とコメントした。

2018/02/09 のニュース

判決後に会見する原告団(名古屋市の桜花会館で)

ユニチカ跡地(豊橋市内で)

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