高い運転技術あっての安全性

来月1日に開幕 ラリー三河湾㊤/プロがお手本 子どもらも直接体感し学ぶ/交通事故の無い国へ 新天地・蒲郡市から発信

2024/02/28

猛然と砂煙を上げて走るラリーカー=蒲郡市立形原中で16日撮影

 公道を使った国内最高峰の自動車競技「全日本ラリー選手権」の第1戦となる「Rally(ラリー)三河湾」が来月1日から3日にかけて、蒲郡市をメイン会場に初めて開かれる。コロナ禍に沈んだ観光の街は、再生に向けた起爆剤として期待を寄せており、市が積極的に支援している。

 校庭に響き渡る爆音。砂煙を巻き上げ、黒い車体のトヨタGRヤリスがターンを決めると、観衆から悲鳴にも似た歓声が上がった。

 ハンドルを握るのは、ラリー三河湾に出場するGAZOO(ガズー)レーシングの眞貝知志選手(45)。助手席では、中学生が不安と恍惚(こうこつ)の表情を浮かべている。

 市などでつくる実行委員会が今月半ば、市立形原中学校で行った特別授業。全校生徒が見守る中、ラリーカーのデモ走行が披露された。希望した生徒が同乗し、迫力のドライビングを間近に体験した。

 観衆をひときわ興奮させたのは、ドーナツターン。アクセルのオン・オフとサイドブレーキを操り、車体を旋回させる技だ。スピードは思うほど速くなく、時速50キロほどだという。地面には円形のタイヤ痕ができる。

 体験を終え、車を降りた子どもたちは「爽快!」「自分も運転してみたい」と興奮気味。眞貝さんは「助手席で喜ぶ子もいれば、緊張で固まる子もいます」とほほ笑む。

 ■ラリーは危険?
 そんな子どもたちの様子に目を細めるのは、ラリー三河湾実行委員会の実行委員長を務める勝田照夫さん(80)。「めったにない機会。子どもたちに喜んでもらいたい」と話す。

 勝田さんは日本ラリー界のパイオニアだ。1975年、イギリスで開かれた世界ラリー選手権に、日本人として初参戦した。全日本ラリーの初代王者で、現在は各地でラリーの運営に尽力している。

 「モータースポーツは危険ではない」が持論。「車の安全性能は上がっているが、残念ながら運転技術が伴っていない」と警鐘を鳴らしつつ、「個々の運転技術を上げることによって、日本を交通事故のない国にしたい」と思い描いている。
                  ◇
 新城市で昨年、20年の歴史に幕を閉じた新城ラリー。そのレガシーを受け継いだ新天地・蒲郡市で「ラリー三河湾」の新しい挑戦が始まる―。3月1日の開幕まで、支える人たちの声や地元の様子を紹介する。

興味津々の中学生に説明する眞貝選手(左から3人目)=同

2024/02/28 のニュース

猛然と砂煙を上げて走るラリーカー=蒲郡市立形原中で16日撮影

興味津々の中学生に説明する眞貝選手(左から3人目)=同

有料会員募集

今日の誌面

きらり東三河

東三河学生就職NAVIリクルーティング

東三河学生就職NAVIリクrooting2025

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP