風針

 豊橋市政が大きく揺さぶられることになった昨年の市長交代から、今月で1年。振り返ると、やはり多目的屋内施設(新アリーナ)をめぐる問題が耳目を集めた。

 市長選でアリーナ計画の中止を掲げ、初当選した長坂尚登市長。公約だったとはいえ、就任後すぐ契約解除の手続きに着手したのには驚かされた。

 それが市長の権限で可能であっても、重大な結果を招く恐れのある政策を実行する際には、慎重を期すのが為政者のあるべき姿のはず。アリーナを求める人々への配慮はなかった。

 結局、事業者の理解も得られず契約を解除できないまま月日を浪費し、建設推進派が多い市議会との間には埋めがたい溝を作った。これらが負の遺産となり、今後の市政運営の足かせとなりかねない。

 住民投票の末に事業再開を決定し、アリーナ中止という目玉公約を実現できなかった長坂市長。残りの任期で36万市民をどこに導くのか。政治家としての真価が問われる。

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