「校則」という言葉に、ある種のノスタルジーを感じるのは昭和世代ゆえか。
70年代から80年代にかけて学校が荒れ、生徒は厳しい校則で管理された。生徒手帳にはさまざまな禁止事項が記されていた。教員が定規を携え、スカート丈を測って回る光景も日常だった。
なかには、生徒の前髪を容赦なく切る教員もいた。生まれつき髪の色が淡い生徒は、黒染めを強いられた。いまなら「ブラック校則」として物笑いの種になるだろうか。
詰め襟に白いカラーを着けていなかったという理由で、教員から文字通り殴る蹴るの暴行を受け、顔に大けがをした男子生徒もいた。40年近く前の話とはいえ、どう見ても傷害事件だ。
最近では生徒主導で校則を見直す動きがある。学生服はブレザーへの移行が進み、あのプラスチック製のカラーも生産を終えたというから驚く。いまの時代ならあの子も殴られずに済んだのに…。いや、そういう問題ではない。
