風針

 気が付けば2025年も残り半月を切った。何かとせわしない中、26年がどんな年になるのかも気になりだすころだ。

 このあたりのタイミングで今年を振り返ってみたい。さまざまな話題が紙面をにぎわせたことが思い出される。例えば豊橋で大きくクローズアップされたのは、新アリーナ計画をめぐる騒動だった。

 昨年11月の市長選を経て、計画反対を掲げた長坂市長の誕生で工事は止まった。一方で事業者と契約解除の話し合いは一向にまとまらず、にっちもさっちもいかない状態に。

 膠着(こうちゃく)を打ち破るべく実施された同市初の住民投票は、市民自治を真剣に考える機会となった。半面、市民に判断を委ねるという事態は民意を託されたはずの市長と市議会に大きな宿題を残した。

 ともあれ賛成多数の投票結果を受けて計画は再始動した。そして26年の早い段階で、工事休止期間に生じた追加費用が議論の的になりそうな予感だ。

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