風針

 田原市内で脈々と受け継がれている伝統行事の一つに凧(たこ)揚げがある。毎年5月下旬に繰り広げられる「けんか凧」合戦は、大空を舞台に糸を切り合う。

 けんか凧の揚げ手が巧みな糸さばきで横長の凧を自由自在に操る職人技は脱帽だ。今年は初出場の若手チームが、常勝チームを負かし初陣を飾った。

 今まで所属していたチームを離れた1人が、初心者の2人を誘って結成した3人組。合戦をもっと盛り上げたいのと、所属していたチームと勝負してみたいという熱い思いからだった。

 新たな挑戦の結果、見事に目標を成し遂げた。しかし、今年で64回を数える行事を維持する田原凧保存会は、会員の高齢化が課題の一つで、凧に描く武者絵の技術や骨組みを作る技法の伝承に苦心する。

 技や組織を次代へとつないでいくことは、決して容易ではない。ただ、こうした若手の台頭が行事や組織を活性化させる一筋の光になるに違いない。

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