風針

 民主主義と専制政治の違いを、ある小説は「政治的失敗を他人のせいにできるか否か」と説いた。民主主義では政治家を「選んだ」側も、政治に責任を負うという話。

 中間選挙で、連邦議会上下両院で勝利したら国民1人77万円を支給―そんな公約を口にしたのは米国のトランプ大統領。例によって財源など根拠も実現性も乏しいが…。

 それでも、仮に選挙に勝利したとしたら、票を金で買う行為に国民も「加担」したことになる。この超大国の国民は、そのあたりのことをどう考えているのだろう。

 勝っても負けても禍根を残すであろう発言も、不思議と世論を沸騰させるほどの議論は聞こえず。だからこそ常に資質を問われる人物が大統領になりえたのか。

 民主主義の欠陥と未来に危惧を抱きつつ「金を蒔けば馬鹿を収穫する」との格言も思い出す。「金で勝てる」―それが国を動かす政治家の確信なら、なんとも底の浅い、そして有権者を見下した話ではないか。

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