風針

 「人の命以上の価値があるという説と、命に勝るものはないという説」(小説「銀河英雄伝説」)。開戦時は前者が口実に、終戦時は後者が理由となるという。

 国連総会で各国代表団が抗議の一斉退席をする中、イスラエルの首相は〝堂々〟と敵対国への攻撃を正当化。退席者たちを「臆病者」とまでこき下ろした。

 「核施設破壊を成し遂げなければわれわれ全員が死んでいた」―かつて米国は「大量破壊兵器保有」の疑いを大義にイラクで戦端を開いたが、今回の彼の主張はそれに重なる。

 米国の対イラク開戦時の「大量破壊兵器保有疑惑」ねつ造問題を描いた映画「記者たち」。ラストに流れるテロップには死傷者数など「数字」が流れ、最後は大量破壊兵器発見数「0」。

 遅かれ早かれ冒頭の話のように戦闘が終わる時は来る。その後、どのような「数字」が残されるのか。また、民衆の力で「邪悪な体制は倒れる」―と孤立深める中で雄弁に語ったが、御自身はどうか。

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