豊橋市の東部、なだらかに横たわる山の麓を訪れると、不思議な光景が目に飛び込んでくる。開けた場所に広がる湿った地面。国の天然記念物に指定されている葦毛(いもう)湿原だ。
この特殊な環境では豊かな生態系が育まれ、多くの貴重な動植物を観察できる。地域の自然を学ぶには、もってこいの場所と言える。
ところが、一部の不届き者による行いが以前から問題になっている。生息する昆虫や自生する花などを、こっそり持ち帰る人がいるそうで行政などが頭を悩ませている。
自分のコレクションにするためなのか、目的が何であれ本人は「少しくらいなら」と軽い気持ちでやっているのかもしれないが、文化財保護法違反にあたる、れっきとした犯罪だ。
湿原や、そこにいる生き物はいわば市民共通の財産。独り占めが許されるはずもない。制止を呼びかける看板などお構いなしに、同様の行為が後を絶たないのは悲しいことだ。
