風針

 大学の先生といえば学生に教えるだけでなく、研究成果を論文として執筆するのが仕事。…と思っていたが、豊橋技科大の広瀬侑准教授はちょっと違っていた。

 減量効果の高い成分「フコキサンチン」を含有する珪藻の大量培養に成功し、先週の定例会見で発表した。普通は論文を書いた後に会見するものだが、論文はこれから。優先したのは特許出願だ。

 珪藻を大量生産して健康食品として売り出せば、数百億円規模のビジネスになるかもしれない。もし特許なしで研究を世に出してしまえば、誰かに先を越される可能性もある。

 世界中で欲しがるダイエット効果を持つ珪藻に狙いを定めて研究を始め、成果を出してベンチャー企業を設立。今は論文より事業化に向けた仕事が忙しい。

 学術より事業優先。企業の研究者なら当然だろうが、大学の先生では珍しいか。「論文は名誉だけ」と言い切ったが、その後で「そのうち書きます」とも…。やはり大学の先生である。

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