風針

 「巷に雨が降るごとく」―。ヴェルレーヌの有名な詩の一節。きょうは夏至。例年、雨や曇りの日が多いと聞くが、カラっとしないだけに気分は沈みがち。

 気分が沈むといえば、アメリカとイランの戦闘。停戦合意へ―と思ったら怪しい雲行き。「始めるに易く終えるに難し」という戦争格言を改めてかみしめる。

 この不安定な国際情勢下、日本経済は奇妙な活況にある。日経平均株価7万1000円超。かつて7000円を割り、日本経済転落を痛感した時を忘れぬ身には驚きと危惧ばかり。

 実感なきまま株価が〝走る〟。一方、夏至には豊作を祈り関東ではタコ、関西は小麦を使った焼き餅を食す習慣があるというが、厳しい物価高で食文化にすら「節約」の影。

 国内外で「わが心にも涙降る」状況だが、せめて趣は忘れまい。「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ」(清原深養父)。〝夜明け〟は必ず来る。夜短き日に、より善き夜明けを願って。

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