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「50度洗い」イトコーで実践実験

食材の鮮度よみがえらせ、味もよくなる

2012/12/24

温度計を入れて、エリンギ洗い

 今年の流行語大賞にノミネートされた「50度洗い」。50度のお湯で食品を洗うと鮮度がよみがえったり、味がよくなったりするというものだ。

 発案者は蒸気技術の専門家として40年研究を続ける平山一政氏。低温スチーム研究で、湯温を一定の50度に設定し、各種の野菜洗浄テストを行っているうちに、50度洗いの効果を発見した。

 これまで野菜は水で洗ったり水に漬けたりするのが当たり前だったが、常識が覆った。今や有名レストランでも実践されているという。

 汚れが落ちる、熱に弱い葉物野菜に火が通らない、失った水分を吸収しやすい、香りや甘みなどおいしさが増す、雑菌を減らせるなど、安全かつ火が通らない絶妙な温度が50度だ。これは野菜だけではなく、肉、魚、貝、果物にも使える。

 以前、豊川市諏訪西町のイトコー(伊藤正幸社長)エコショップで、①しおれた水菜②数日常温で放置した白菜③モヤシ④エリンギ⑤鶏むね肉⑥サーモンの刺し身⑦リンゴ⑧バナナ⑨オレンジについて実践実験を行った。

 温度を50度前後(48度から52度)に保ち、菌が繁殖する43度以下にならないように湯を足しながら調節するという、基本テクニックを踏まえて、温度計片手に実験開始。野菜類は、水洗いと両方行い、洗った後の状態を比べた。明らかに50度洗いのほうがシャキッとし、色も鮮やかになった。特に白菜は、パキパキと音をたてて手で折れた。

 エリンギに関しては、見た目はそれほど変わりなかった。

 鶏むね肉は、同温の湯に入れ、指で軽くこすり洗いし、水気を取っておく。少し全体が白っぽくなってよい。この時点で、肉の臭みは全くしなくなった。

 刺し身を洗うのは勇気がいるが、軽く同温の湯に漬けてから、氷水でしめて水気をふき取る。こちらも鶏肉同様少し白くなるが、酸化した油の生臭さが取れた。

 果物は皮ごと入れて、3~5分で取り出す。見た目に変わりはないが、食べるとバナナはほっくりとし甘さを増した。オレンジとリンゴは、温かさが残ることに違和感があり、この実験ではあまり好評ではなかった。鮮度が長持ちすることに関しては、短時間のため、検証できなかった。

 以上、50度洗いをした食品で作った料理のうち、特に評判がよかったのは、刺し身と、焼いた鶏肉。洗わずに調理したものと食べ比べると、格段においしかった。エリンギに旨(うま)みがある、青菜の青臭さが取れているという意見もあった。

 この実験以降、わが家では肉(特に鶏肉)を使うときには必ず50度洗いをしている。少しの手間で料理の味が格段に良くなるからだ。お試しあれ。

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