教えて!乳がんのこと 

友人に寄り添う気持ちが大切

麻木久仁子さん質疑応答(回答者)

2013/10/31

麻木久仁子さん

質問/友人が、今がんの治療中です。もし、何か力になってあげられる事があるとしたら、どんな事をしてあげればいいですか?(田原市、S・Kさんより)

回答/自分が乳がんになってみると、いろんな人がいろんなこと言う訳ですよ。「あれを飲むのがおすすめ」、「私の知り合いの人の場合はこうだった」、「再発防止のためにこうした方がいい」など。ああしろ、こうしろ、アレ飲めコレ飲め、も確かにいいのかもしれませんが、がんは人それぞれ違うし、そのときどきの状況によっても違うのだから、その判断やアドバイスは、主治医の先生はじめプロフェッショナルな方に任せるべきだと思います。

 だから、私は「何を言ってあげられるか」、とか「何をしてあげられるか」とかいうよりも、その友人の方の話をよく聞いてあげることが一番大切ではないかと思います。

 これは乳がんに限らずですが、病気の時は、「病気なんかに負けないぞ」とすごく気持ちが元気な時もあれば、そうかと思うとひどく落ち込んだりもする。周りの人に対しても、とにかく放っておいてほしい時もあれば、たまらなくかまってほしい時もある。だから私の場合、娘には「こういう訳で(乳がんになって治療をすることになったので)、しばらく機嫌が悪い時もあるだろうから、近寄らない方がいいと思ったら、放置しておいてくれていいから」と、先に宣言しておきましたね。愚痴っぽくなったとしても、それをまともに受けられるとかえって困るから。

 乳がんの場合、乳房を取ってしまったとなると、とてもセンシティブな問題で、「これで女じゃなくなってしまう」と嘆く人もいれば、「おっぱいあってもなくても私は変わらない」と強気な人もいるけれど、本当のところ、本人がどう思っているのか、他人から見たらまったくわからないじゃないですか。だから、何かしてあげたいという気持ちがあるのなら、してあげることは何かと探すよりも、お友だちのことを気にかけていることを伝えて、「何か私にできることはある?」と聞いてあげてみてはいかがでしょう。ご友人の話をゆっくりと聞いてあげてください。

2013/10/31 のニュース

麻木久仁子さん

有料会員募集

今日の誌面

きらり東三河

東三河学生就職NAVIリクルーティング

東三河学生就職NAVIリクrooting2025

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP