桜の開花は足踏み状態が続く。
桜といえば、豊川市にかつて「桜の馬場」と呼ばれる場所があった。おぼろげな記憶だが、名前の通り、桜が植えられていたはずだ。80年代には地域文化広場になった。
オープン当初は、レコードを聴かせてくれる部屋があった。週末には、ローラースケート場と交互に通い詰めたものだ。寝転がって漫画を読めるコーナーもあった。学童クラブも児童館もない時代、子どもの居場所になっていた。
平日の放課後は、校庭で遊んだ。回旋塔、アスレチック、いま思えば危険な遊具が結構あって、大けがをする子もいた。
子どもが外遊びできる場所が少ない、とこぼすお母さんに会った。小学5年生の男の子に、放課後何をしているのか聞いたら「家でゴロゴロ」。なんだか大人びた答えだ。校庭で遊ぶ子も見かけない。感染症対策に神経をとがらせる日々が遠くなり、春はもうすぐ。思い切り遊べる場所がもっと必要ではないだろうか。