風針

 吉田兼好は「徒然草」で「家の作りやうは、夏をむねとすべし」と書いた。冬はどうにでもなるから、夏の暑さをしのげる家を作りなさい、という意味だ。

 雪国でもない豊橋なら、と思い7年前、家を建てる時の参考にした。夏の日射を遮るために軒を深くし、前庭から裏へ風が抜けるよう間取りを工夫した。柱や壁には調湿効果の高い材料も使った。

 すると、こんな昔ながらの工法でもけっこう効果がある。汗がにじむ蒸し暑い日に帰宅すると、玄関を入った瞬間のひんやりした空気が心地よく、風が吹き抜ければエアコンは必要ない。

 といっても、近年の災害級猛暑に対しては限界もある。今週県内でも観測された40度を超える「酷暑日」は、先人の知恵だけではやり過ごせない。

 今どきは、断熱効果の高い「夏も冬もむねとする家」があるとハウスメーカーの知人から聞いた。エアコン1台で全館空調できる構造だという。「家の作りやう」は随分と変わった。

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