「腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動」。小学生のころの夏休みは、早朝のラジオ体操で一日が始まった。
眠い目をこすりながら体を動かし、首からぶら下げたカードにハンコを押してもらった。当時は苦痛でしかなかったが、いま思えば妙に懐かしい。
近年は全国的に縮小傾向のようだが、蒲郡市では夏休みに限らず、盛んに行われている。「全国ラジオ体操連盟」のホームページを見ると、市内十数カ所の会場が掲載されている。県内有数の開催地だ。
先日、何十年かぶりに体操会に参加した。動きはおおむね体に染みついている。正しいやり方で取り組むと、なかなかの運動量だ。翌日、太ももの裏側がしっかり筋肉痛になっていた。
新型コロナウイルス禍で地域の行事が縮小され、そのまま再開の動きが鈍いこともある。そんな中でも、身近なラジオ体操は子どもの運動不足解消や、お年寄りの健康寿命を伸ばすのに役立つはず。今こそ見直したい。