風針

 七夕といえば織姫と彦星の物語。ちょっと恥ずかしい話、「労働の義務」を知らなかった幼き頃は、愛し合う二人を引き裂いた神様を〝極悪人〟だと思っていた

 先日、買い物に出かけると七夕飾り用の短冊と笹が置かれていた。ご自由に願い事を―ということらしい。星に祈らなくなり幾星霜。久しぶりに短冊へペンを走らせる

 老若男女、様々な願い事が笹を飾る中で筆者は「健康」を星に願った。ジジ臭い願い事だが、五十路男が「海賊王になる」と書いたところで星に笑われよう

 恋に胸焦がすほど若くもなく、平和を祈っても落胆する。いまさら億万長者になっても…消去法の結果が「健康」。最近はこれすら怪しいが…

 運命は努力した人に偶然という橋をかけてくれる―とは好きな映画の台詞。日々生きる努力はしているつもり。悪筆ながらの願い事。天の川の橋を渡れるだろうか。「かささぎの渡せる橋に置く霜を白きを見れば夜ぞ更けにける」(大伴家持)。

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