風針

 囲碁や将棋の対局で、いわゆる「詰めろ」に入ったあたりで「投了」となるわけだが、なぜ「詰み」まで指さないのか―。その疑問は以前読んだある棋士のインタビューで解けた。

 曰く、盤面が美しいところで―。有名棋士が最晩年、味わうように「詰み」まで指したと聞いたこともあるが敗者、もしくは棋士としての美学があるのだろう。

 ウクライナとイランで2つの大国が〝優勢〟を誇るも精彩を欠く。片や攻撃示唆と撤回を繰り返し、片や苦戦伝わる戦地と真逆の極東の島を訪問、〝強力な指導力〟を誇示…。

 戦争は始めるに易く収めるに難しと聞くが、素人から見ても出口戦略の失敗は明白で、勝ったところで払った犠牲の埋め合わせにはほど遠い結果が待つ。

 早期〝投了〟が望み薄な中、醜く散らかった〝盤面〟を前に「妄執」の権化と化した2大国の指導者がいま何を思うのか。確実なのは、今後もこの2人が戦場で汗血を流すことはないということくらいだ。

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