風針

 秋尾沙戸子(名古屋市生まれ、東京女子大学文理学部英米文学科卒、上智大学大学院アジア地域研究博士後期課程修了)は2009年、「ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。

 占領期をひもといて、巧みなアメリカ化のプロセスを描いて、日本人がなぜアメリカ好きになったのかを探った。

 外交研究フェローとして在籍した米国ジョージタウン大学大学院で、イラクに比して日本の占領が成功したのはなぜか―の研究に取り組んだ。

 「京都占領―1945年の真実」(新潮選書)では日本降伏の間際、原爆投下の候補地としてリストアップされた古都の往時を、日米双方の史料と貴重な証言をもとに検証している。

 連合国による日本分割統治案、京都への原爆投下案とマンハッタン計画、それまでイギリスの弟分でしかなかったアメリカが世界を牛耳るようになった変化の歴史を剔抉(てっけつ)している。

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