裁量労働制の拡大に首相が意欲を示している。一方、連合など労働者側は「長時間労働を助長する」と反対している。
「柔軟な働き方」といえば聞こえはいいが、実際には長時間労働になっている人が多いとの指摘もある。労働時間を把握しづらく、事実上の残業の固定化につながりかねない。
かつて週休1日の時代があった。「働いて、働いて」式が経済成長を支えた面は確かにある。
しかし、人を疲弊させながら「成長」を語る社会は、本当に豊かなのだろうか。制度の下で自由を実感する働き手もいる。しかし労働者に業務をコントロールする権利がなければ、単なる搾取ではないのか。
70年代後半「とんで、とんで」と繰り返す流行歌があった。歌の始まりはこうだ。「忘れてしまいたいことが今の私には多すぎる」。物価高が続き、労働時間は増え、賃金は据え置き。どこか遠くへ飛んで行きたい―。そんな気分の人も少なくないだろう。
