行旅死亡人(こうりょしぼうにん)とは身元不明で引き取り手のいない遺体を指す法律用語▼行旅病人及行旅死亡人取扱法により、死亡場所を管轄する自治体が火葬、死亡人の身体的特徴や発見時の状況、所持品などを官報に公告し、引き取り手を待つ
本籍(国籍)・住所・氏名不明、年齢75歳ぐらい、女性、身長133㌢、中肉、右手指全て欠損、現金34,821,350円。令和2年4月26日、尼崎市の錦江荘で発見され、行旅死亡人として処理された
官報に記載された記事を目にした共同通信社記者の武田惇志(1990年生まれ、京大大学院修了)は同僚の伊藤亜衣記者(早稲田大学大学院修了)と共に田中千津子の相続財産管理人の太田吉彦弁護士に問い合わせ、謎の人物の過去を探る旅に出る
田中千津子の旧姓は沖宗、広島市方面に多い一族の系図を編む人物を突きとめる。「ある行旅死亡人の物語」(毎日新聞出版)は謎の女性の生涯に迫る。
