教えて!乳がんのこと 

最適な治療で抗がん剤を取捨選択

読者からの質疑応答=まつおクリニック/院長・松尾康治

2014/10/28

松尾康治先生

 質問/抗がん剤治療する・しないはしこりの大きさに関係ないのですか(豊川市赤塚町、M・Oさん)

 回答/乳がんは発生した早い時期から全身への転移が始まると考えられています。したがって、局所療法としての手術や放射線治療だけでは、乳がんの治療は十分でなく、乳がんを切除した後で全身治療としての薬物治療を行うのが原則です。

 使われる薬剤は、3つに分類されます。ホルモン療法剤、抗がん剤、分子標的薬です。り患した乳がんの特性に合わせ、もっとも効果的と思われる薬剤を選択し、もっとも効果的と思われる量と投与法を決定します。現在、この最適性は、たくさんの集積された研究報告を基にして決められています。当然、まだ決定できないものもあるのですが、現時点で最適と思われるものを選択します。

 さて、この薬剤選択のための因子ですが、り患した個々の乳がんのホルモン感受性、HER2(ハーツー)過剰発現の有無、リンパ節転移の有無、腫瘍(しゅよう)径、年齢、組織型などです。

 選択の際の詳しい説明はここではいたしませんが、ホルモン感受性が高ければ、ホルモン療法が行われますし、ホルモン感受性が低ければ、ホルモン療法ではなく抗がん剤治療が行われます。

 また、HER2過剰発現が認められれば、分子標的薬が投与されます。
 ご質問のしこりの大きさ(腫瘍径)も考慮されます。非常に大きければ、当然、転移している可能性が高いと考えられますので、抗がん剤の適応となります。アメリカのNCCNガイドラインでは、1㌢以上であれば、ほぼすべて抗がん剤の適応としています。

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松尾康治先生

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