広報紙で豊橋市が新アリーナ特集
2025/07/01
「広報とよはし」の7月号(手前)と昨年1月号。デザインからして違いは一目瞭然
豊橋市は最新号の広報紙で、多目的屋内施設(新アリーナ)計画について特集した。事業継続の賛否を問う住民投票が迫るなか、記事からは市が公平公正で正確な情報提供に腐心するさまが垣間見える。
「広報とよはし」の7月号には豊橋公園を予定地とする建設計画の内容と、20日に行われる住民投票に関する特集記事を7ページを割いて掲載。計画関連では過去に公表した入札説明書や市議会で示した資料などを再編し、基本的な箇所を抽出してまとめたという。
作成にあたり「必要な情報を公平公正に提供しなければならない」とする住民投票条例の規定を踏まえ「公平公正の範囲を慎重に検討した」と市広報広聴課の石川達也課長は言う。
事業を推し進めた前市長のころに計画を紹介した広報紙の紙面が写真を多用しカラフルだったのに対し、今回は控えめな表現やデザインが特徴だ。かつて見出しに躍った「エキサイティングな未来へ!」といったたぐいのフレーズも姿を消した。
長坂尚登市長の方針通り契約解除した場合に発生すると賛成派が主張する事業者への損失補償金などの支払いにも言及していない。「確定した事実でないことは書けなかった」と理解を求める。
また公表済みの関連資料は、市のホームページ(HP)や校区市民館などで閲覧できるが膨大な量にのぼる。重要とされる6種類だけでも厚みが10センチほどあり、一般市民がすべてに目を通して理解するのは簡単な作業ではない。石川課長は「改めて事業について、契約後の現状を市民に正確に知ってもらうために作った」と特集の狙いを説明した。
広報とよはし7月号は、自治会を通じて市内の各世帯に順次配られる。生涯学習センターなどでも手に入るほか、HPに同じ内容を掲載している。