豊川稲荷付近 東三河環状線の約200メートル/安全なまちへ―消える4車線道路の横断歩道/4年前に死亡事故/近隣住民らの意見踏まえ門前再整備
2025/05/07
4車線にまたがる横断歩道。金融機関もあり路肩に駐車する車が多い(豊川市豊川栄町で)
若者の死が歴史ある町の姿を変える―。豊川市の豊川稲荷近くで、豊川駅前を通る4車線道路が2車線に変わる。4年前に死亡事故が起きた4車線道路の横断歩道をなくす目的で、近隣住民らの意見も踏まえ門前が再整備される。
2車線化されるのは、豊川駅前から豊川稲荷前交差点に延びる東三河環状線の約200メートル。この区間には横断歩道が3つあるが、市は2021年3月に豊橋市向山大池町の4車線道路の信号のない横断歩道で高校生が車にはねられ死亡した事故をきっかけに、県内の同様の場所が警察の規定で廃止されることになったと明かした。
都市整備部の山本英樹部長は「安全対策の方法として、横断歩道を集約するとともに信号機を設置し、車線数を維持する手法もあったが、地元と警察、道路管理者の県との調整で横断歩道の数を維持する代わりに車道を2車線とすることになった」と説明した。
県は今年度中に手戻りのない範囲で暫定的に2車線化し、豊川稲荷で午(うま)年開帳が予定される来年秋までに歩道の整備などを進める方針だ。
車道が面する商店街には古くから初詣シーズンを中心に毎年大勢の参拝客が訪れる。4車線にまたがる横断歩道は距離が長く、高齢者が渡り切るには時間もかかり、危険と隣り合わせだ。
特に西端の横断歩道の近くには金融機関や郵便局があることで、豊川商店街駅前駐車場に入庫しようとする車や、路肩に駐車する車などで歩行者が見えづらくなる。約200メートルの道路は一直線のためスピードを出す運転手も多い。
2車線化に伴う再整備について、市は門前の商店主や通学路として利用する豊川高校の生徒らの意見も踏まえながら安全なまちづくりを進めている。