地域スポーツ企画「とにすぽ」
東京ヤクルト加入 モイセエフ・ニキータ
2025/01/27
新人合同自主トレで開幕に備える
まもなく2025年シーズンのプロ野球が開幕―。東京ヤクルトスワローズにドラフト2位で加入した豊川高校のモイセエフ・ニキータ外野手(3年)は、ルーキーとしてどんな成績を残すのか。1年目での1軍昇格はあるか。神宮球場の打席に立つスラッガーの姿を多くのファンが期待している。
◆昨季の低迷
高津臣吾監督が率いるチームは2021年に日本一、翌年は2季連続セ・リーグ制覇。常勝軍団の復活かと思われていたが、その後は2年連続で5位に低迷。昨季は開幕から故障者が続出、打順を頻繁に入れ替えて試行錯誤を繰り返したが最後まで噛み合わず好転しなかった。さらに、エース小川泰弘ら投手陣が相手打線を抑え切れず、主力「ミスター・トリプルスリー」山田哲人の不調、レジェンド青木宣親(GM特別補佐)の現役引退など、チームは新たな転換期を迎えた。
◆主砲の後継者
日本を代表する強打者・村上宗隆がメジャーリーグ挑戦を表明した。主砲の後継者と期待を集めるモイセエフは、史上最年少三冠王を達成した偉大な先輩から多くを学び、ともに過ごす短い時間を有効に活用したい。
村上の1年目は2軍(イースタン・リーグ)で、打率288、17本塁打、70打点を記録。9月中旬には1軍へ昇格してチームの主力に成長した。モイセエフは国内屈指のスラッガーが残した1年目の記録にどこまで近づくことができるか。
◆大型ルーキー
ただ、モイセエフは青木や山田、村上とは打撃のタイプが異なる。新人合同自主トレーニングで村上宗隆モデルのバットを手に柵越えを放ったが、モイセエフが本来持っている武器は長打力だけではない。高校時代に長谷川裕記監督と一緒に磨き上げた巧みな打撃技術、絶妙に広角へ打ち分けるスイングと選球眼、そして何よりも勝負の場面で期待に応える強い精神力を備える。
高卒ルーキーにとって、プロ野球はすべてが初めてのことばかり。メディアやファンに囲まれ浮足立つこともあるだろうが、父・セルゲイさんの教えの通り、野球と「真摯」に向き合い、一歩ずつ着実に階段を上り続けてもらいたい。