国際的学術雑誌が論文掲載

コケ分類めぐる研究 6年かけ結実/鳳来寺山自然科学博物館学芸員・天本匡宥さん/研究者間で見解分かれる問題に決着

2026/01/30

論文を手にする天本さん。手前は研究に使った標本(鳳来寺山自然科学博物館で)

 新城市の鳳来寺山自然科学博物館の学芸員で、学生時代からコケ植物を研究する天本匡宥(きょうすけ)さん(30)が、国際的な学術雑誌への論文掲載という成果を挙げた。コケの分類をめぐって6年あまり前に抱いた疑問を解消しようと、国内外の標本100点ほどを地道に分析。研究者の間で見解が分かれていた問題に決着をつけた。

 論文は、いずれもアイバゴケ属の仲間であるアイバゴケと、葉の先端が長く伸びるトゲアイバゴケに関するもの。天本さんを中心にしたグループがまとめ、ニュージーランドで発行されるコケの専門誌に昨年末、掲載された。

 天本さんによると、これまで国内では両方が分布するとされてきた一方、二つを同じ種類だとみる人もいて、考えが分かれていた。論文では「日本にはアイバゴケしかなく、トゲアイバゴケはアフリカを中心に分布する」と結論付けた。

 どちらの種類か判別しづらい個体があることが気になって、2019年に研究を開始した天本さん。形やDNAを比べて、日本には同じ種類のものしかないと分かったが、それが「アイバ…」なのか「トゲ…」なのかという難題が残った。

 あきらめられずに海外から標本を取り寄せ続けると、スウェーデンの植物標本庫に保管されていたものが、200年以上前に「トゲ…」を新種として名付けたときの標本だと判明して、研究の決め手となった。

 その標本を扱うときは「手が震えた」という天本さん。「博物館での展示や教育普及だけでなく、調査研究も学芸員の大事な仕事。コケに関心を持ってもらうきっかけになれば」と、論文掲載を喜んでいる。

アイバゴケ(提供)

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論文を手にする天本さん。手前は研究に使った標本(鳳来寺山自然科学博物館で)

アイバゴケ(提供)

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