御津あおば高校で定時制生徒が全日制へ編入/豊川
2024/05/04
全日制も定時制も同じ校舎の教室を使っている御津あおば高校(豊川市御津町で)
改編から2年目を迎えた豊川市御津町の県立御津あおば高校。この春、昼間定時制から全日制へ生徒7人が編入した。不登校や言語など、さまざまな事情を持つ生徒を受け入れる同校が、生徒の自主性を育む先進事例として注目される。
学年制から単位制に改編し、県内では初めて全日制と昼間定時制を併置。定時制には不登校の経験があったり、長期療養が必要だったりする生徒向けの普通類型と、外国籍を中心に日本語指導が必要な生徒が通う日本語類型があり、初年度は普通類型に8人、日本語類型に11人が通学した。
定時制と全日制は互いに異動できる仕組みで、この春に定時制の普通類型の5人と日本語類型の2人が全日制へ編入した。
普通類型のクラスでは、当初は授業に出る生徒が少ない日もあったが、徐々に登校者数が増え、皆勤生徒もいた。教員が全日制への編入を勧めることはなく、生徒が自ら進路を決断したという。
森田恭弘校長も「これほど編入者が多いとは想定していなかった」と驚く。「学校としては自分のペースで取り組むことを尊重しています。周りに同じ境遇にある生徒がいるのも大きいと思います。自分なら全日制でもやっていけると、自信をつけてくれました」と目を細める。
定時制の授業は3限目からで全日制と登校時間がずれているものの、部活動をはじめ、体育祭や文化祭といった行事は在籍課程に関係なく活動していることも影響を及ぼしているとみられる。
同校は来年度から、三河地方では刈谷東高校に続く2例目の通信制も導入する予定で、全日制や定時制との併修も可能になる。子どもたちの多様なニーズに応え、多文化共生を図る新たなタイプの学校モデルとして一層注目されそうだ。