ブーム再燃も設備老朽化/豊橋
2024/01/15
一度に10人ほどが入れるサウナは高温で知られた(サウナオーギで)
豊橋駅前のサウナオーギ(豊橋市広小路1)が15日午前9時をもって営業を終了し、58年の歴史に幕を下ろす。設備の老朽化で、やむなく閉店を決意。「安く、熱い」で人気のサウナには存続を求む声が寄せられるなど、半世紀以上にわたり多くの男性客に親しまれた。
パチンコ店や飲食店を営む大木家によって1966年、豊橋駅東口側の本社ビル内に開業。三河地方では最古のサウナとして、サウナストーンを熱する本格的な高温サウナを売りに、バブル期にはロッカーが不足して入場制限をするほど人気を博した。
近年はサウナブームの再燃もあり、昨年は2万1951人が来店したが、数年前から配管の老朽化が進み、ミストの不具合や階下の店舗にも影響が出たこともあり営業継続を断念した。
利用料はサウナ業界では安い1000円で、プラス1000円で宿泊もできた。マッサージ室や仮眠室もあり常連客も多く、女性限定の「レディースデー」を求める声もあった。
昨年12月上旬にSNSで閉店を告知すると、顧客から「寂しい」「早く教えてくれればもっとたくさん利用したのに」といった声が寄せられた。中には存続を求めて署名を集める人もいた。
同社総務部人事労務課次長で、「サウナ・スパ健康アドバイザー」の資格を取得して運営に尽力してきた石山孝浩さん(53)は「多くの方に自慢できるサウナだったと自負している。顧客にも、熱心なスタッフにも恵まれ感謝しかありません」と話す。