南海トラフ地震へ備えて2土砂災害特別警戒区域/能登半島で土砂崩れ犠牲
2024/02/21
のり枠の整備工事が進むグリーンヒル音羽の急傾斜地(豊川市長沢町で)
能登半島地震による土砂崩れで犠牲者が出たが、南海トラフ地震に備え、東三河でも土砂災害防止対策事業が行われている。このうち豊川市で市内2カ所の土砂災害特別警戒区域で急傾斜地の崩壊を防ぐ工事が進められている。
対象は、人家2戸以上があるか、公共的な建造物がある急傾斜地で県の土砂災害特別警戒区域(土砂災害警戒区域のうち建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じる恐れのある区域)に指定されているエリア。
初年度となる今年度は町内から要望があった住宅地「グリーンヒル音羽」がある長沢町大覚と、市の粗大ごみ受付センター付近の千両町上西谷地内の斜面。市は地震や大雨をきっかけに、表面の弱い部分や岩石の亀裂に沿って急斜面が崩壊する現象を防ぐため、斜面の表面を覆って崩れを防ぐ「のり枠」などの工事を進めている。いずれも3月中旬に完了する予定。施工した地域は土砂災害特別警戒区域の指定が解除される。
昨年6月2日の集中豪雨の際にはいずれの施工地域で避難情報が発令されたこともあり、事業が進むことで住民から安心感が広がっている。建設部道路河川管理課によると、市は来年度も長沢町大覚での追加工事を予定している。