万全な乳がん治療体制で東三河の乳腺治療をリード

【乳がん検診・治療が受けられる病院】豊川市民病院

2014/09/17

柄松先生（前列左）を中心にチーム医療を展開

【地域中核病院として治療と啓発に力を注ぐ】
　豊川市民病院は、東三河の乳がん治療のパイオニア的存在で、乳腺内分泌外科部長の柄松章司医師を中心に、スタッフにエキスパートをそろえ、チーム医療を展開している。
新築移転して２年目に入り、万全な乳がん治療体制のもと、手術、抗がん剤治療、乳房再建手術も増えた。近隣病院との医療提携もさらに強まり、手術だけでなく、精神的なケアもサポートしている。

　柄松医師は、日本乳癌（がん）学会認定の専門医であり同学会評議員も務める。これまでの手術件数は１,３００件を超え、新築移転での開院となった昨年以来、三田医師とともに月平均10件の手術を行っている。最新治療にも積極的で、日々進歩する乳がん治療の動きを見ながら、最適な治療を施す。また、乳がんの啓発にも力を注ぎ、豊川市医師会と共催で「乳がん市民公開講座」を開いている。

『乳腺専門医２人体制で治療にあたる』
　現在、東三河では４人の乳腺専門医がおり、そのうちの2人である柄松医師と三田圭子医師（ともにマンモグラフィ検診制度管理中央委員会のマンモグラフィ読影Ａ判定）が週４回（月～木）の外来診療を行っている。

　「乳がんには、検診でしかわからないものがあります。そのために乳がん検診はあります。万一見つかったときは、私たちが全力で、治療やこれからのことをお手伝いします」と三田医師。専門医としての乳がん治療を提供するべく日々研鑽（さん）を心がけ、緩和治療においても積極的かつ細やかに対応している。

【マンモグラフィ検診施設画像認定施設を取得】
　マンモグラフィや乳腺MRIも、全国レベルの高い技術を誇る。診療放射線技師は５人おり、すべて女性。全員が日本乳がん検診制度管理中央委員会の技術Ａ認定を持つ。

　今年同院は、マンモグラフィ検診施設画像認定施設を取得。全国でも20％程度の施設でしか行われていないマンモグラフィのフルデジタル化（撮影から画像診断までデジタルで行う）を実現した。技師たちの努力のたまものである。

　「乳腺画像研究会」や「愛知県女性放射線技師の会・キュリー」でも指導的な立場を果たした伊藤光代技師が、技師全体のレベルアップの指導にあたる。

　乳腺エコーについては、乳腺甲状腺超音波学会Ａ判定、Ｂ判定の腕を持つ５人の女性臨床検査技師が取り組み、外来診療が円滑になった。

　今年度から、三田医師を中心に乳がん画像の検討会を行い、総合的に乳腺疾患を理解するうえでのスキルを上げている。

【環境にも配慮した化学療法センター】
　検査の充実とともに、術後も万全な体制を整えている。抗がん剤治療を行う化学療法センターでは、がん化学療法看護認定看護師と、がん薬物療法認定薬剤師が、柄松、三田医師らとの連携を密にしながら副作用や不安感を和らげる努力を続ける。外来、入院合わせると月３００例になる。
化学療法センターは、環境も配慮され、院内の静かな場所に設置。明るく快適で、治療を受けやすいように配慮され、スタッフたちも細やかな対応を心がけている。

【乳房再建にも積極的に取り組む】
　新病院の開院とともに動き出し、２年目に入って本格的な稼働を開始したのが、乳房切除時の同時乳房再建。同院は、全摘時の同時再建に積極的で、形成外科の杉村謙介医師がメーンになって取り組んでいる。同時再建ができなかった人のために二期再建も行っている。「無理に温存するよりも全摘して再建した方がきれいな乳房になることが多い。乳房をなくした喪失感からも解放される」と柄松医師も乳房再建に積極的だ。

化学療法センターで

乳がん治療のすべてに応える万全の体制に◎乳腺内分泌外科部長　柄松章司先生

　新病院開院２年目を迎え、検診、診断、手術、再建、術後の抗がん剤治療まで、すべてに応えられる体制が本格的に動き出しました。手術症例は旧病院に比べ1.5倍に増加していますが、入院環境が整い、女性専用病棟で快適に入院していただけます。精度の高い検査に裏打ちされた診断、最適な治療を行い、自信を持って乳がん治療を進めています。

　乳がんは、早期に発見すれば治る確率も高くなります。悩んでいる人はぜひ来てほしい。患者さん一人ひとりが納得できる治療をめざし、スタッフ一丸となって応えます。