教えて!乳がんのこと 

再建乳房の美容性も重視する時代

読者からの質疑応答=成田記念病院形成外科部長/藤井勝善

2014/10/09

藤井勝善先生

 質問/乳房再建の現状と豊橋市でできる施設を教えてください。(豊橋市築地町、T・Mさん)

 回答/乳がんの手術で乳房を失ったり、変形が残ったりした場合、可能な限り元の状態に戻すために行う手術が乳房再建です。乳房のなくなり具合や変形、残った組織の量、反対側の乳房の大きさや患者さんの希望等、総合的に勘案し、どの方法を用いるか決めます。乳房再建を希望する患者さんは、保険診療で人工物を利用できるようになってから増加してきています。

 一方、昨年から乳腺外科医(乳がん治療)と形成外科医(乳房再建)の合同学会が日本に発足しました。乳がん治療の根治性と再建乳房の美容性を両立させることを目的とした新しい診療体系です。一見、相反するような乳がん治療と乳房再建を同時に考えることは何ら特別なことではなくなり、広く一般的なこととなりつつあります。

 一昔前は、乳がんになっても命が助かればそれで良いと考えられていました。術後の胸部の変形や拘縮に対しての配慮が不足していたようです。しかし、現在では乳がんの治療は乳房再建まで含めた診療を行わなければ時代遅れと言われています。

 再建手術をする施設としては、形成外科医と乳線外科医が常勤医として勤務し、お互い密に連携できる施設で再建手術を行うことが望ましいでしょう。東三河地区では、市民病院(豊橋や豊川など)や成田記念病院には両科の医師が勤めており、対応できるものと考えられます。

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藤井勝善先生

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