日本画に取り組む蒲郡高

根気強い取り組みで人間性や感性磨く/美術部3年生が豊橋市民展で入賞も

2018/02/10

 東三河の高校で唯一、日本画に取り組む蒲郡高校(蒲郡市上本町)美術部で、3年生の手がけた作品が昨年の豊橋市民展で賞を受けた。部員らは制作に時間と手間がかかり、特殊な手法を要する日本画と向き合って感性を高めている。顧問の北原あゆみ教諭は「日本画に取り組む若い人が増えてほしい」と願いを語る。

■試行錯誤しながら腕を磨く
 昨年の豊橋市民展の日本画部門で、3年生の岡田茉琴さん(18)が特選、鈴木彩香さん(18)は奨励賞に輝いた。2人は中学時代に趣味で絵を描きながら、運動部に所属。岡田さんは高校入学後、美術部員が日本画を描く姿を見て「自由な色使いなど、楽しそうに見えた」と入部を決めた。鈴木さんは、中学の時に体験入学で同校を訪問。美術部員の日本画作品を見て「見たことのない立体感に感動した」と取り組みを決意して入学した。

 日本画は、絵の中に陰影は付けず、幾重にも色を重ねて立体感を表現。動物の皮などを分解した膠(にかわ)で絵の具を溶き、専用のはけを使うなど、洋画とは異なる制作手順を踏む。北原教諭は「道具の使い方も難しく、地道に努力できる人でないと続けることが難しい」と話す。

 岡田さんは、日本画に多い色使いをあえて脱する作風に挑戦。2年生の時には作品が全国大会に選出された。「この学校でしかできない日本画を体験できて良かった」と振り返る。

 鈴木さんは、作品を自身の抱く完成イメージに近づける作業に没頭。試行錯誤を繰り返す日々に苦闘しながら、腕を磨いた。正解のない作業の中で支えとなったのは、同学年の部員の存在。「作業に行き詰まった時は、みんなに会いたい一心で部に通った」と感謝の気持ちを示す。

■普及への願い
 日本画は、特殊な道具を手に入れることが困難で、取り組むこと自体が容易ではない。北原教諭は、大学院時代に日本画を専攻。5年前に同校に赴任し、日本画を含む美術の指導にあたっている。

 昨年、高校生の「全国総合文化祭」に出品された絵画作品計400点のうち、日本画は3点のみだった。北原教諭は「困難な面もあるが、日本人が日本画を知らないことは残念。取り組むことで、感性から人間性まで養える。やる気のある人は、受け入れていきたい」と話している。

2018/02/10 のニュース

日本画に取り組む美術部員(蒲郡高校で)

豊橋市民展で特選を受けた岡田茉琴さんの「襲来」(提供)

有料会員募集

東三河の家造り「住蔵」

連載コーナー

ピックアップ

東三河見ごろ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.