東三河データファイル
【トップインタビュー㊤】今年創業80周年
2018/03/13
対談風景
東京と豊橋に本社を置く、東証一部上場のアルミニウムダイカストメーカー、アーレスティ。今年創業80周年を迎える同社の高橋社長に、これまでの歩みから今後の事業展開などについて聞いた。※聞き手=東海日日新聞社・白井収社長
―これまでの歩みについて
社長に就任したのが1997年。当時海外のダイカスト生産工場はアメリカのみでしたが、2001年に 最初の10年ビジョンを掲げるにあたり、国内はすでに600億円弱の売り上げがあり、国内での市場を広げるよりもグローバルに展開する成長戦略へと切り替えました。これが当社の大きな転機のひとつです。現在は、国内13拠点のほか、5カ国8拠点の海外展開を行っています。
―地元の人間にとっては、京都ダイカストがアーレスティになったことが印象に残っているが
国内および海外市場に於ける競争力の確保と、企業としての一層の成長を図るため、事業規模の拡大・統合効果による企業体力の強化が必要と判断し合併に至りました。
この合併の実現で、生産体制・販売体制の合理化と、研究開発体制が強化され、より優れた品質の製品と行き届いたサービスを迅速かつ競争力のある価格で提供し得る体制を構築できました。また、今後のマーケットを考え、11年に工場を集約し、豊橋の地で東海工場として新たな一歩を踏み出すという形をとりました。
―本社を2拠点にした理由は
創業の地は東京の板橋にありましたが、世界を相手にするためには技術開発の強化が必要でした。
06年に豊橋に開設したテクニカルセンターは当社の技術開発の中枢であり、世界各拠点での同一品質・同一生産を実現するための中核拠点としても機能しています。技術と管理面、そして大型鋳造機の導入が急務でしたので東海工場再編後、13年に東京の中野坂上に管理部隊を残し、技術・品質・ものづくりの機能を豊橋に集約しました。
―技術拠点が豊橋のメリットは何か
トヨタ圏でもスズキ圏でも日産圏でもない、ちょうど独立を保てるという点ではメリットが大きいと思います。
―10数年間の成長著しいと思うが
私が入社した40数年前の当時700名の社員が今では7000名以上になりました。創業80年といっても成熟企業ではなくまだまだ成長途上。ここ10数年で大きくグローバル展開したところであり、感覚的にはやっと中学生になった、まだまだ駆け出しという感じですね。