2006/04/24
超音波技術を応用した製品を世界へ発信する本多電子
本多電子(豊橋市大岩町、本多洋介社長)は今年10月、創業50周年を迎える。創業者の故・本多敬介社長が個人経営で「本多電子工業所」を56(昭和31)年10月に創業した。
超音波技術を使った魚群探知機を小型化、米国を中心に個人ユーザーを開拓、業績を伸ばして会社の基礎を築いた。超音波技術に特化した製品開発が、「環境の時代」といわれる21世紀に入って、需要を一層伸ばすことになった。
脚光を浴びているのは、医療分野での超音波技術。超音波は、コウモリやクジラ、イルカなど動物も視覚や聴覚の一部として利用しており、医療分野で臓器、胎児の診断装置として安全性も高い。
パルス励起型超音波顕微鏡は、生体組織の硬さを測定して映像化する。手術中に組織のがん化部分を5分程度で判別できる。従来の染色による顕微鏡診断が1時間ほどかかっていたことを考えると患者にとっても負担が少ない。
計測では、流量センサーとして開発。超音波の震動利用では、工業製品製造工程での洗浄、あるいは水とアルコール分離などにも及んでいる。環境への応用では、アオコ処理技術の開発にも取り組んでいる。
人にやさしく、未来へ広がる超音波技術は、豊かな21世紀を創造する技術。同社では超音波の新たな可能性を豊橋から世界へ発信している。