桜の季節
第4章 61回
2020/05/10
野澤登真㊧が最後の高校バスケに懸ける思いを明かした
高校生にとって、集大成に位置付けられる全国高校総合体育大会(インターハイ)が中止となり、部活動で頑張る目的を失った選手たちは何を思い、今、漫然と過ぎていく日々を過ごすのか。5月末日まで休校が延長されて家での生活が長くなり、目指すべき目標を見失いがちな状況だ。
この瞬間、ライバルたちはそれぞれ自分自身との闘いに向き合っている。桜丘の選手たちは、その覚悟を胸に持ち自分を律しているか。1人の選手として本当の強さが求められる「今」だから、チームメートを引っ張る野澤登真に率直な気持ちを聞いてみた。
「インターハイは、チームとして初めて全国規模で自分たちの力を試すことのできる大会だったし、自分の中でも進路実現のために位置付けていた大会だったので、中止のニュースを聞いた瞬間はショックが大きかったです。今年のチームでどこまでの力が発揮できるのか、楽しみな1年生もたくさん入ってきて、新人戦の結果を挽回できるように、インターハイに向けて頑張ろうと思っていた矢先の活動停止だったので、とても残念です。ウインターカップの開催も見通しが立たない中ですが、選手たちは、シーズン再開へそれぞれでそれぞれのできることを、1日ずつ頑張っています。未来から逆算することができない中で、モチベーションを維持することが難しいですが、1日1日それぞれの志を持って、今日よりも明日、明日よりも明後日にレベルアップできるように、その日にできることをコツコツ積み上げていくことを意識して頑張っています」
主将として、野澤は言葉の重さを知っている。切実な思いが痛いほど伝わってくる。