親子3人で甲子園を目指す

【高校野球を彩った選手たち⑤】中川大志/桜丘高校の絶対的主砲

2020/05/13

打撃練習を行う中川大志

 東北楽天、横浜DeNAで活躍した中川大志は、豪快な長打力が魅力の選手だった。兄弟の影響もあり小学校時代に新城ベアーズで野球を始め、中学校では投手として活躍した。桜丘高校では、不動の主砲・4番打者として通算32本の本塁打を記録した。

 中学時代は、投手と三塁手の二刀流でチームを勝利へ導いた。卒業後には、父親が監督を務める桜丘へ進学、身長185センチ、体重85キロの恵まれた体格を生かし1年生からレギュラーとして攻守の要となり、地元の期待を一身に背負った。

 最初の夏は、監督を務める父・明智さん、チームメートの兄・将大さんとともに、親子3人で甲子園出場を目指した。順調にベスト8まで勝ち上がり、準々決勝では愛産大三河と対戦。両校譲らず同点のまま延長戦に突入し、最後は惜しくもサヨナラ負けを喫して涙をのんだ。

 2年生の夏、打線好調な桜丘は中川を中心に再び準々決勝まで勝ち上がり、ナゴヤドームで優勝候補の中京大中京に挑戦したが、力及ばず1―5で敗退した。

 その冬、中川は小川泰弘(成章)らと一緒に、米国遠征する愛知県選抜のメンバーに選ばれ「県代表として胸を張って戦いたい」と、貴重な経験を積んだ。

 2008年は、第90回の記念大会で愛知は東・西に分かれ、東愛知大会は東三河勢22校を含む84校で争われた。

 最後の夏、3年生になった中川は持ち味の長打力に磨きをかけた。2回戦の蒲郡東戦では2本塁打を放ち、続く科技高豊田戦でも2試合連続となる本塁打で味方打線を鼓舞した。

 4回戦の刈谷との試合では、投打で安定した戦いを見せる桜丘が、4―2と2点リードして9回裏を迎えた。だが、勝利を意識して硬くなったのか、投球が乱れて連打を許し、悪夢の3失点で逆転サヨナラ負け。中川はマウンド上でぼうぜんと立ち尽くし、試合後には涙を流した。

 その後、中川は桜丘高校の野球部創設28年目で初めてのドラフト2位指名を受け、プロ入りが決まった。

2020/05/13 のニュース

打撃練習を行う中川大志

有料会員募集

今日の誌面

きらり東三河

東三河学生就職NAVIリクルーティング

東三河学生就職NAVIリクrooting2025

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP