桜の季節 

八村との「戦」い(前編)

第4章 62回

2020/05/17

八村㊨とモッチの1対1は見応えがあった

 日本で最も多くの期待を集める選手と言えば、今なら間違いなく「八村塁」の名前が上がるはずだ。2019年のNBAドラフトで日本人初となる1巡目でワシントン・ウィザーズから(全体9位)指名を受け、昨季は世界屈指の選手たちの中で順調に成長を遂げて、名実ともに日本を代表する選手へ駆け上がった。約5億円とされる年俸だけでなく発言や行動も国内外のメディアを騒がせ続けている。

 そんな八村を相手に、桜丘の選手たちが肩を並べて戦ったのが、14年のウインターカップと15年のインターハイだ。今でも、目を閉じれば会場の雰囲気や緊張感が脳裏に浮かぶ。それと同時に、あと一歩で惜しくも勝利を逃した悔しい気持ちも。

 14年・冬。桜丘は県内に敵なしの常勝チームだった。中部大第一さえ子ども扱いする実力を持っていた。しかし、それは「5人がしっかりかみ合った時だけ」という不安定な状態で、当時、江崎悟監督はそんなチーム状況を危惧していた。それでも、本来の底力で全国大会の準決勝まで順当に勝ち上がった。

 勝負の明成(宮城)戦。八村を相手に桜丘は多くの反省と課題が浮き彫りになった。第1クオーターでモッチ・ラミンが八村を止められず、立て続けにファールを取られた。鈴木空や粂辰弥のミドルシュートで追いついたが、明成の冷静な対応に攻撃が停滞した。桜丘は持ち味のエイトクロスを封じられ、最後は52―75と点差が開いて完敗を喫した。

 江崎監督は「選手が4強進出で満足した」、鈴木は「技術じゃなく気持ちの問題」と敗戦を振り返り、新たな決意を胸に15年を迎えることとなった。次回へ続く。

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