桜丘の中川拓真(豊橋中央)対策

【高校野球・桜丘×豊橋中央戦】杉澤監督の勝敗分けた采配と投手陣の好投

2020/08/03

桜丘の河口夏輝が6回以降を4奪三振無失点に抑えた(岡崎市民球場で)

 プロ野球のスカウトが注目する豊橋中央の中川拓真が、桜丘戦で残した4打数2安打1三振という数字は、ドラフト会議の有力候補として誇れる記録だ。しかし、桜丘の投手陣は超高校級のスラッガーを「わずか2安打に抑え」総合力で逆転勝ちを収めた。

 昨夏、8強進出を懸けた桜丘×豊橋中央の東三河対決は、中川の逆転満塁本塁打など、逆転に次ぐ逆転の壮絶なシーソーゲームとなり、桜丘が9―8で1点差の大接戦を制した。

 そして、今夏の5回戦。くしくも、両校が同じ舞台で顔を合わせた。豊橋中央にとってはリベンジ戦。中川は「昨夏の悔しさを忘れていない。絶対に勝ちたいと思っていた」と強い決意で臨んだ。

 1日の試合は、初回に中川が右中間へ弾き返し、豊橋中央が2点を先制。だが、桜丘の杉澤哲監督は「立ち上がりで少し制球は乱れたが、よく立ち直ってくれた」と先発の八重琉貴にすべてを託していた。

 八重は、期待に応えて、2回以降は連打を許さず5回まで完封。6回から継投した河口夏輝も安定感抜群の好投で9回までを投げ切った。

 この試合は、杉澤監督の采配が勝敗を分けた。中川を筆頭に強打者がそろう豊橋中央打線に対し「本来の力を出させないように攻める投球が必要だった」と、右サイドスローの変則投手である八重と河口を継投させ、緩急や四角を巧みに使い分けて打者に的を絞らせず、9回まで凡打の山を築いた。

 桜丘にとって豊橋中央に勝つための最善策は、強打者の中川を「わずか2安打に抑え」る方法であり、相手打線の勢いを削ぐことだった。

 普段は控えで出番が少ない3年生の2投手を信頼し、ベスト8進出を懸けた大一番のマウンドを託す。杉澤監督の強気な采配、そして、その信頼に応えた彼らの好投が、8強進出への扉を開いた。

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