農園イチゴ片付け/OF初参加「のんほいイチゴ園とよはし」が参加呼びかけ
2025/05/27
「農園のイチゴの片付けに参加を」と呼びかける水谷園長(豊橋市天伯町で)
汗を流した後のイチゴの味は格別?豊橋市天伯町の「のんほいイチゴ園とよはし」(水谷充裕園長)は、6月1日の9回目の農業イベント「オープンファーム」(OF)で農園のイチゴを片付けるお礼にイチゴのプレゼントを企画し、初参戦する。農作業を通して収穫の喜びを味わってもらう趣向だ。園のアイドルのヤギと黒猫が来園者を出迎えるそうだ。
■加工品販売も
水谷園長はOFファン。来場者として2020年の秋の初回からほとんど参加している。1年前の7回目の時、豊川市の農家が来場者に農園のイチゴを片付けてもらう代わりにイチゴを提供したのを見て、「収穫体験や直売のほかにこうした参加もある」と思った。知人で主催するOF実行委員会の尾崎幹憲委員長の働きかけもあり、生産者として初参加する。
イチゴの温室は9棟約20アールで、中は仕切りがなく広い。プランタでつなげた36の容器に9品種のイチゴがそれぞれ1株ずつ2列に並んでおり、最後の収穫期を迎えている。
片付けの対象となるのは、全ての容器に入っている約1万株。来園者は当日の午前10時から、株を折って摘み取ったイチゴを用意した箱に収め、折った株をコンテナに入れる。イチゴは持ち帰り、株の一部はヤギの餌になるという。
園は今のところ30組の参加を見込んでおり、片付けが終わり次第で終了する。作業用手袋や園芸用はさみ、日よけ帽子、農作業ができる服装の準備を呼びかけている。
ほかにイチゴジャム「いちごミルクのもと」、イチゴなどを販売する予定。水谷園長と妻の亜希さんが対応し、両親もバックアップする。また、周辺に人懐っこいヤギ「めい」と黒猫「クロコ」がおり、来園者の「癒やし役」を務める。
片付けは、これまで仕事の合間をみて5月の連休明けから月末にかけて行われいた。来園者が片付けることで農作業が軽減され、その分を他の作業ができるメリットもあるという。
■おいしさ追求
水谷園長は13年、イチゴ園を開園した。農園での直売と道の駅とよはしの販売を中心に、加工品販売も手掛ける。「食育いちご狩り」を通して「食の大切さ、農の楽しさ」も教える。また、育てているイチゴを食べ比べる「人気品種選手権大会」を開き、人気のないイチゴの栽培を取りやめるなどおいしさを追求する。職人かたぎでとっつきにくい一面があるものの、人間味に溢れる。片付けについて「農業体験として楽しんでもらいたい」と話す。そのうえで「農園でイチゴを食べることが、消防法の関係で制限されているので持ち帰るか、園外で食べてほしい」と注意を呼びかけている。
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■オープンファーム(OF) 来場者が開放された農園を巡り、農産物の収穫体験や直売などを楽しむイベント。主催する豊橋市のOF実行委員会が2020年11月から始めた。年2回の割合で開かれ、今回で9回目。前回は47の生産者らが参加し、最多の延べ約7000人が来場者した。