豊橋市と技科大が連携・協力覚書
2025/05/29
半導体集積回路の生産能力を高めたアイリスの新工場(豊橋技術科学大学提供)
豊橋市と、半導体研究拠点の新たな工場や企業が入居する施設を完成させた豊橋技術科学大学は、連携・協力の覚書を締結した。官学の関係強化で企業の半導体イノベーションを促し、地域の産業振興を目指す。
27日に市役所で開かれた覚書の締結式で、長坂尚登市長と若原昭浩学長が署名した。
同大の次世代半導体・センサ科学研究所「アイリス」に今年3月末、新工場とオープンラボが完成。研究に特化した既存の工場に比べ約3倍の広さになった約2000平方メートルの新工場では、市場投入を見据えた半導体集積回路の量産体制を整えた。オープンラボには企業向けの個室の研究室などを備え、国内外の技術者や研究者、大学院生が共同で利用する。総工費は、それぞれ20億円弱と約8億円。
覚書に基づき、市は市内企業とアイリスの橋渡し役を担う。豊橋技科大は集まった企業に、製品の社会実装に向けた研究環境を提供する。
半導体は今や、あらゆる産業分野に欠かせない存在になり、ニーズは高まり続けている。
開学当初から産学連携に積極的な同大が擁するアイリスは、半導体集積回路の設計から制作、評価までをワンストップでできる世界的に珍しい施設だという。
締結式であいさつした長坂市長は「半導体を核とした新たな地域産業を生み出し、地域の発展につなげたい」と述べた。若原学長は「高度な技術を持つ東三河の企業に使ってもらい、新しい会社の軸を立ててもらう仕事を手伝う機会を市と強化していきたい」と意気込みを語った。