豊橋市「ワイン特区」認定

国が製造要件緩和/特産の次郎柿など使い少量でも生産可能に

2025/06/14

特区への認定で次郎柿などを原料に豊橋市内でワインを醸造する要件が緩和された(市提供)

 豊橋市は、製造量の要件を緩和する国の「ワイン特区」に認定されたと発表した。特産の次郎柿やブドウを使ってワインを少量からでも製造でき、業界に新規参入しやすくなった。市内の農業が抱える課題の解決や、地域活性化につながるか注目される。

 認定は9日付。全国トップクラスの生産量を誇る次郎柿と、同じく生産が盛んなブドウを原料にしたワインの製造免許を取得する際に求められる年間の製造量が2キロリットルに緩和された。通常は、最低でも同6キロリットルとの基準が設けられている。

 市内では、農家の高齢化や後継者不足による農家数の減少や、耕作放棄地の増加などが課題になっている。ワインの特産品化は、新規就農増や遊休農地の利用促進に結び付く可能性がある。また、農産物は収穫時期が限られ、通年で流通できる新たな加工品が求められてきた。

 市北部で東名高速道路の豊橋新城スマートインターチェンジ(仮称)の工事が進む中、参入障壁が下がったことで特に同地域で多く生産される次郎柿やブドウでワインをつくる動きが広がれば、人の流れの変化を捉えた地域経済の活性化効果も期待される。

 市政策企画課の佐野真司主幹は、ワイン特区の認定を受け「市内で栽培から収穫、醸造までできるようになった。地域の魅力がさらに高まるのでは」と話した。早ければ年内にも市内で醸造が開始される見込み。これまでワインの製造は、市外の醸造所に原料を運んで行われてきたという。

 愛知県内では、今年3月末時点で碧南市や豊田市、岡崎市が同様の特区に認定されている。

2025/06/14 のニュース

特区への認定で次郎柿などを原料に豊橋市内でワインを醸造する要件が緩和された(市提供)

有料会員募集

今日の誌面

有料会員募集

東日旗

きらり東三河サイト

高校生のための東三河企業情報サイト

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP