「俊成短歌大会」表彰式

大賞に飯田さんと樋口さん輝く/蒲郡

2024/04/30

大賞に輝いた(右から)樋口さんと飯田さん=蒲郡市民会館で

 蒲郡開拓の祖とされる平安期の歌人・藤原俊成(1114~1204)にちなんだ「蒲郡俊成短歌大会」が29日、蒲郡市民会館で開かれ、受賞者ら150人が参加した。39回目を迎えた今大会は、全国から528首が寄せられた。このうち豊橋市の飯田智美さんと、東京都中野区の樋口盛一さんの各1首が大賞に輝いた。

 飯田さんの歌「四枚のガラス戸越しに晴れわたる師走の空を磨き上げたり」(県知事賞)は、年末の大掃除でガラス戸を磨き上げた場面を詠んだ。晴れ渡った空を磨き上げたのだという豊かな想像力が評価された。

 樋口さんの「本当に言いたいことは言えなくて水に近づくソーダ水かな」(市長賞)の歌は、言いたいことが言えないもどかしさを、炭酸が抜けていく飲み物に例えた。日常の葛藤を見事に言い表した点が評価された。

 市文化協会などでつくる実行委員会が1986年から大会を開いている。今回は大賞2首と特選6首と特別賞2首、選者賞5首を選んだ。投稿者の最高齢は97歳、最年少は11歳だった。さらに市制70周年を記念し、市内小中学生の部に高校生を加えた「市内学生の部」を設置したところ、3524首が寄せられた。

 表彰の後、短歌結社・水甕(みずがめ)代表の歌人、春日いづみさんが「個性の泉を探る」と題して講演。大会選者で、愛知淑徳大学の島田修三学長らによる選評などがあった。

大賞以外の入賞者は次の皆さん。(学校、学年は投稿時)

【特選】
 ▽県教委賞=山田ゆたか(神奈川県伊勢原市)▽中日新聞社賞=齋藤慈子(東京都目黒区)▽中部日本歌人会賞=村上秀夫(山形県酒田市)▽市教委賞=渡邊照夫(埼玉県鴻巣市)▽市文化協会賞=竹下博子(新城市)▽市観光協会賞=鈴木鋭二(刈谷市)

【特別賞】
 ▽郡上市長賞=市田柳子(岐阜県中津川市)、高岡市長賞=今永明子(静岡県静岡市)

【選者賞】
 ▽松本進(山口県光市)、俵朝子(蒲郡市)、荒川麻由実(名古屋市)、兼松正直(岡崎市)、鈴木睦美(刈谷市)

▼市内学生の部
【小学生の部】
 ▽最優秀賞=本多世奈(蒲郡西部4)▽優秀賞=武藤颯大(三谷東3)、黒栁香苗(蒲郡北部2)▽審査員特別賞=馬場宥里(形原北6)、千賀陽太(蒲郡北部2)

【中学生の部】
 ▽最優秀賞=鳥居なつみ(形原1)▽優秀賞=渡邉真人(海陽3)、松井凛(三谷1)▽審査員特別賞=北山彩音(蒲郡2)、板倉瑠花(形原2)

【高校生の部】
 ▽最優秀賞=丹下愛菜(蒲郡1)▽優秀賞=堀田了也(海陽1)、鈴木結稀(蒲郡1)▽審査員特別賞=伊藤優(三谷水産2)、鈴木閏愛(蒲郡1)

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