「さくらピア」障害者防災対策への取り組み/豊橋
2024/12/28
9月に行われた講演会の様子
元日に起きた能登半島地震から1年。豊橋市東新町の豊橋市障害者福祉会館「さくらピア」ではこの1年間、災害弱者である障害者を対象とした防災対策に力を入れてきた。
9月と3月を強化月間として取り組む。防災タイムとして、9月1日~14日までの2週間、毎日3回の避難訓練を実施。普段の利用の中で避難を体験した。同29日には、口腔ケアによる災害関連死防止を学ぶ講演会を実施するなど、障害者とその家族の防災意識の向上に努めている。
東日本大震災での障害者の死亡率が健常者の約2倍との報告もある中、障害者の防災対策は大きな課題だと、さくらピアの本田栄子事務長は話す。
「日常生活に多くの困難を抱える障害者とその家族にとって、いつ起きるかわからない災害に備えることは後手に回りがち。しかし、長年防災対策を呼びかけ、講演会や防災タイムを実施する中で、徐々に意識が高まり、利用者で防災袋を用意している人の割合が一般市民を超えるまでになった。今後も続けたい」と話す。
「障害者の皆さんからも、自分たちにできることはないかと声掛けをいただく。身近にいる障害のある人に、日頃から声かけやあいさつをし、交流しておくことが災害時の助けにつながる。まずは身近な、名前のわかる障害者に手を差し伸べて」と呼びかけている。