豊川市民病院 赤字額着実に減少

移転新築から12年 当時16億円以上/適正な入院期間徹底奏功

2025/05/07

移転新築から12年を迎えた豊川市民病院(豊川市八幡町で)

 豊川市民病院は、今月で移転新築から12年。経営状況が厳しい公立病院が多い中、同院では移転当時16億円以上あった赤字を着実に減らしている。

 経営状況について、市によると新型コロナウイルス禍前の2018年度の医業収益は136億4900万円あった。しかし、コロナ禍の20年度は患者数の減少で132億900万円に落ち込んだ。コロナが5類に移行した23年度にV字回復し、過去最大の170億7900万円の収益を上げた。

 一方で給与や材料費、経費などの医業費は増える傾向にある。18年度に146億6400万円、23年度に180億9100万円だった。

 収益から費用を差し引いた純損益は、移転新築した13年度は16億2800万円の赤字だった。20年度は赤字幅が3億6600万円まで減り、21年度はコロナで病床確保のための補助金もあって一時黒字に転換。23年度は5類移行で補助金がなくなったものの、1億5400万円に赤字を抑えた。

 昨年の定例議会で、堀内重佳市議が市民病院の経営状況を取り上げて質問した。これに対し、市は安定した収益確保と積極的な費用抑制を挙げ、特に収益面について「適正な入院期間を徹底することで病床の回転率が高まり、入院患者や手術件数の増加につながる」と説明した。

 市民病院は13年5月、現在の八幡地区に移転。19年10月に地域医療支援病院、同年12月に救命救急センター、22年4月には県がん診療拠点病院の指定を受けた。豊橋市民病院と並んで、重大事故発生時などに短時間で治療を開始できる第3次救急医療機関として、この地域に必要不可欠な医療機関となっている。

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