【連載】羽田野晴加が全中陸上を振り返る(後編)
2026/08/30

羽田野晴加(中央)が4位入賞
全中陸上の女子800メートル決勝は2周目に突入した。観客席の声援を背に、羽田野晴加の覚悟の挑戦が始まった。前を走るのは、全国屈指の快足を誇る中学生ランナー5人。勝利への強い意志が「ひとつでも上の順位」へと疲れた足を力強く前へ押し出した。
◆ラスト80メートル
残り200メートルで先頭集団は6人が団子状態、誰が勝っても不思議ではない。羽田野は「ラスト200メートルで行こうかと思ったら格闘技(場所取り)があって少し遅れた」と、残り150メートルで勝負を仕掛けた。最後の直線に入って1人を抜き5位浮上、トップが突き放す中で「勝ちたい」という思いが勝手に足を動かした。
残り80㍍、この瞬間のために練習で何度も、何度も繰り返してきた形。すでに優勝を逃すことは決まったが、最後の力を振り絞って必死に前を追う。残り2メートルで並びかけ「急に前が明るくなった」とわずかな差でフィニッシュ。息を切らしながら電光掲示板を見上げると、自分の名前が「4位」に表示された。自然とうれし涙が頬を伝った。
表彰台で表彰状を受け取り「2分11秒53は驚いた。入賞できると思っていなかった。最後の全中を楽しもうと思っていたし、会場の雰囲気が力を出させてくれた気がする。この半年間、いろいろなことがあったけれど、それがあったから自分は頑張れた。この経験を次のレースに生かしたい」と話した。