教えて!乳がんのこと 

再発するか心配1~2年の検診を

読者からの質疑応答=(国府病院・副院長/山本晴大)

2013/10/20

山本晴大先生

質問/今年1月に左胸の乳がん手術をしました。現在、抗がん剤治療を終え、ハーセプチンの治療中です。右胸や、治療中の経過が気になります。どのタイミングで次の検査が行われるのでしょうか?再発した場合にはどのような状況になるのでしょうか?不安です。食事療法はやはり有効でしょうか?(豊川市、H・Iさんより)

回答/手術時の病期(ステージ)、術後の治療内容、症状の有無によって多少異なりますが、術後5年までは、ほぼ3~6カ月ごと、術後5年以降は6カ月~1年ごとを目安に視・触診や血液検査、X線検査、必要に応じて各種画像検査等を行います。

 残っている乳房(対側乳房)の発がんリスクは、乳がんにかかったことの無い方に比べ高いことが分かっていますので診察時にはしっかりチェックされると思います。

 乳がんの再発は術後2~3年間がもっとも多く、その後年々再発の危険は減っていきます。10年以降の再発は少なく、10年をひとつの区切りとして考えられることも多いので、以降は、一般の乳がん検診と同じように1~2年に1回チェックを受けると良いでしょう。

 局所再発のほか、乳がんが転移しやすい臓器としては、骨・肝臓・肺・脳などがあげられます。

 骨転移では、持続する骨の痛みという症状で始まることが多く、進行すると骨折を起こしたり、高カルシウム血症という状態になったりします。肝転移ではなかなか症状が出現しません。進行すると肝機能障害・食欲不振・黄疸(おうだん)が出現します。肺転移が進行すると頑固な咳(せき)・息切れ・息苦しさなどの症状が出現します。脳転移ではめまい・頭痛・吐き気・視野が狭くなる、歩行困難などの症状が出現します。

 ただし、これらの症状が一気に出現、進行して、生活の自由度が奪われるということではありません。昨今の治療法の進歩もあって、多くの患者さんが外来で治療を続けながら日常生活を送っています。

 食事療法についてですが、インターネットで検索すると、たくさん目にされると思いますが、有効であると証明されたものはありません。ただ、過度のアルコール摂取や高脂肪食は乳がんのリスク因子になります。一般的に言われる、バランスのいい健康的な食生活でいいかと思います。

 術後、日も浅く、治療継続中とのことで、まだまだ不安な日々をお過ごしのようですが、皆同じ気持ちです!同じ患者仲間や、主治医の先生、そして家族から元気をもらって、充実した生活を送っていただきたいと思います。

2013/10/20 のニュース

山本晴大先生

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