教えて!乳がんのこと 

リハビリメイクを医療の領域へ

かづきれいこさんとリハビリメイク

2014/10/04

歯学博士取得時のかづきれいこさん

 リハビリメイクを本格的に研究し始めたのは1995年から。「ある日、私のサロンに、ヤケドあとがある少女を連れた看護師さんの言葉がきっかけでした。『先生、この子の体のリハビリはもうすぐ終わります。でもこの顔では退院できませんよね。顔にもリハビリが必要ですよね』と言うのです。それから、外観が変化した方が社会復帰を目指すためのメイクを『リハビリメイク』と名付けました」。

 同年に渡英して、ヤケドあとなどを隠す「カモフラージュメイク」を行う赤十字社を視察したが、日本人の性格に合ったメイク技術を習得する必要性を実感。その後、アメリカのペンシルバニア大学へも赴き、外観のケアも含めた社会復帰を支援する医療現場を目の当たりにして、日本でリハビリメイクを確立させるためには、医療との連携が必要不可欠だと痛感した。

 2001年に、新潟大学大学院歯学部矯正科(現新潟大学大学院医歯学総合研究科)に入学。「メイクの価値を上げ、メイクと医療をつなげていくためには、きちんとしたエビデンス(科学的根拠)を基に、論文を残していく必要があります」。

 さまざまな活動を続けながら研究を続け、2005年に博士課程を修了(=写真)、歯学博士となり、その後日本医科大学大学院医学研究科に入学し、現在も在籍している。メイクの効果を研究し、統計を取って論文にまとめ、学会で発表。医師や医療関係者に、さまざまな症例に対応できるリハビリメイクの技術や、メイク後の患者さんのQOL向上により、徐々に理解者を増やし、リハビリメイクへの理解を深めた。

 こうした努力が実り、2003年、東京女子医科大学女性生涯健康センター内にリハビリメイク外来が開設。今では、日本医科大学付属病院などに広がっている。

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