太陽光発電施設7月完成へ

地元との協定成立/エクソルが設楽原決戦場跡で

2024/04/17

白い建物の手前が事業用地。馬防柵の内側から

 新城市の設楽原決戦場跡で太陽光発電事業を計画しているエクソル(3月から本社東京)は16日、発電施設の建設を決定したと発表した。地元の八束穂区との間で事業実施に関する協定が成立したことから、「地域の総意として建設に賛同いただけた」と説明している。6月末にも太陽光パネルの設置工事を始めて、7月に完成するという。

 区との協定は1日付で締結。用地近くに観光名所の馬防柵があることに配慮し、「フェンスの色彩や外観を景観に調和させる」「事業の余剰地は観光ガイドや駐車場に使用する」などと規定した。「災害で地区内に停電が発生した場合、電力を供給する」といった項目も盛り込んだ。

 発表によると、協定の内容は、区が「高齢化で土地管理が難しくなる」「用地周辺は後世に残すべき歴史的な地域」との事情を考慮しつつ、同社と協議した。一方、景観が損なわれると計画に反発していた住民団体「設楽原をまもる会」からも、区が対応の一任を取り付けた。

 太陽光パネルが設置されるのは同市八束穂の休耕地で、馬防柵からは150メートルほどの距離だ。エクソル側は既に地権者と売買契約を結んでいるといい、農地転用の許可が下り次第、購入する。

 昨年10月の住民説明会には地権者も出席し、土地売却の理由について「後継者がおらず、もう(草刈りなどの)メンテナンスができない」と訴えていた。

 観光客が訪れる決戦場跡に太陽光パネルが設置されることについて、設楽原をまもる会の今泉研吾顧問=前会長=は「私らも農業をしていて草刈りの大変さは分かるので、やめてくれとは言えない。なるべく景観を守ってと伝えていくしかない」と話した。

太陽光発電計画をめぐる経過

■2023年1月
エクソルが用地の事前確認を市に依頼

■5月
同社が条例に基づく事前協議を市に申請

■6月
市が計画を確認し、事前協議を終了

■7月
「設楽原をまもる会」が反対を表明
下江洋行市長が「景観を守りたい」と発言

■8月
下江市長が地権者と面会

■10月
住民説明会開催

■24年4月
同社が区と協定締結

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