教えて!乳がんのこと 

乳がんリスクの増加と減少

乳がん最新治療②=(まつおクリニック院長/松尾康治)

2013/10/23

松尾康治先生

質問/乳がんを予防することはできますか?日ごろ予防できることがあれば教えてください。(豊橋市西羽田町、W・Hさんより)

回答/がんの発症には、遺伝的要因と環境的要因が関与しています。遺伝的要因は、自分の意志ではなんともなりませんが、環境的要因、つまり生活習慣や食事習慣などは自分の意思で変えられることもあります。

 日本に住んでいる日本人と、ハワイやニューヨークに住んでいる日本人を比べると、同じ日本人なのに、ハワイやニューヨークに住んでいる人たちの乳がん罹(り)患率が2倍以上高いそうです。このことは環境要因が乳がんの発症に大きくかかわっていることを示しています。ですから、予防法とは、「環境的要因を乳がん発症のリスクが低い方に変えていくこと」と言い換えることができます。今回は、乳がんリスクを増加させるものと減少させるものについて、「乳がん診療ガイドライン2013年版」に沿って、いくつかご紹介します。

(1)喫煙/ほぼ確実なリスクで、閉経前女性では受動喫煙も危険です。
(2) アルコール飲料/摂取量が多いほどリスクは高まります。
(3)乳製品/リスクを減少させる可能性が示唆されています。とくに閉経前女性、低脂肪乳でより強い傾向があり、高脂肪乳製品は逆にリスクを高めるという報告もあるようです。
(4)大豆、イソフラボン/リスク減少の可能性あり。ただしイソフラボンは、サプリメントとして大量に摂取するとリスク増加の可能性あり(30ミリグラムまで)。これに限らず、サプリメント全般に大量摂取には
注意を促されています。
(5) 肥満/閉経後女性の肥満はリスク因子ですが、閉経前ではリスクを減少させるようです。
(6) 運動/週に2~3時間程度のウオーキングでもリスク減少効果があるようです。

2013/10/23 のニュース

松尾康治先生

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