地域がん診療連携拠点病院としてさらに充実

【乳がん検診・治療が受けられる病院】豊橋市民病院

2014/09/24

吉原医師と看護師たち

【地域のがん診療の連携協力体制を充実】
 豊橋市民病院は、厚生労働省が指定する「地域がん診療連携拠点病院」として、機能の充実強化を図り、東三河のがん治療の中核的役割を果たしている。

 診療連携体制として、地域の診療所(かかりつけ医)と連携協力し、手術や放射線、抗がん剤治療などを同院が行い、ほかの日常診療をかかりつけ医が継続的に行う「乳癌(がん)地域連携クリニカルパス」を使ったネットワークを構築。連携施設は昨年から17施設増え、現在66施設との間で連携体制が出来上がっており、かかりつけ医と役割を分担し、質のみならず利便性も高い医療サービスの提供を可能にしている。

 また、院内に患者総合支援センターを持ち、専任の看護師や、医療ソーシャルワーカーらが個別に対応し、がん患者をサポートしている。

【チーム医療を支えるマンパワーと高い技術】
 同病院の乳腺治療の中心に立つのは、乳腺専門医である一般外科第4部長の吉原基医師。院内各科に働きかけ、連携を密にしながらチーム医療を展開している。乳腺外来(要紹介)は月曜の午後だけだが、普段は一般外科外来で、2チームに分かれて診療にあたる。

【高度な診療につなげる精度の高い検診】
 マンモグラフィを読影する医師も、10人が日本乳がん検診精度管理中央機構の読影認定を持ち、そのうちA判定以上が4人に増え、画像診断においても全体のスキルを上げている。

 マンモグラフィは、10人の診療放射線技師が担当し、9人が女性技師。5人が日本乳がん検診精度管理中央機構の技術A判定を持つ。男性患者は野畑強技師が担当する。マンモグラフィと乳腺エコー両方をできる技師が多いのも同院の強みだ。乳腺エコーは最新鋭のエラストグラフィの導入で、しこりの質や広がりの判別を可能にした。

 また月2回のペースで、吉原医師の指導によるマンモグラフィの読影勉強会を行っている。

【小さながんまで映し出す高精度画像の3T―MRIを駆使】
 同院では、3台のMRIが稼働。なかでも高精度の画像化が可能な3T―MRI装置は、小さな乳がんまで鮮明に抽出することができる。「今までのものでも十分だが、がんとわかってから、どれくらいの範囲で広がっているか見るために使っている。いろいろな制限もあるが、大いに役立っている」と吉原医師は話す。

 年間の手術は、約90例。病理医が術中に迅速診断するセンチネルリンパ節生検を取り入れたり、脳転移の放射線治療では、腫瘍(しゅよう)をピンポイントで狙う定位的外科的照射をするなど、患者にとってできるだけ負担の少ない治療で応えている。

【乳房再建にも対応】
 乳房再建においては、形成外科の柏崎喜宣医師の協力を得て対応。吉原医師が乳腺専門医の資格を得たことで、保険適用となった人工物、エクスパンダーを使う同時再建が可能になった。「乳房再建は、精神的な負担から解放される、ひとつの選択である」と柏崎医師。乳房温存手術においても、変形を少なくする工夫を手術に取り入れている。

 同院がチーム医療でめざすのは、それぞれの患者にとっての最適な治療。また乳房再建においては、選択できる体制も整った。その一つひとつに、医師、技師、看護師が一丸となって応える。

マンモグラフィは女性技師が担当

意思を尊重しベストな治療で対応◎一般外科第4部長 吉原 基先生

 乳がん治療の進歩はめざましく、患者さんにとっては治療の選択肢が増えています。また、形成外科の先生が入り、当院の乳房再建にも選択の幅が広がりました。どんな場合でも、患者さんにとってのメリットを考慮しつつ、こんな治療もあると、可能な限りの治療法を提示し、患者さんの意思を尊重し、一緒に考えてベストな治療を進めていきます。

 乳がんは早期発見・早期治療で高い治癒率を得ることができます。早期発見のために定期的に検診を受けましょう。

豊橋市民病院/概要

豊橋市青竹町八間西50
電話=0532(33)6111
http://www.municipal-hospital.toyohashi.aichi.jp/
*乳腺外来は月曜の午後(要紹介)
一般外科は随時受付

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