ハラスメント問題で長坂市長/第三者による調査いつ?/真実の行方 問題解決の道いまだ霧の中/豊橋市議会
2025/06/11
豊橋市役所
豊橋市の長坂尚登市長は10日に行われた市議会6月定例会の一般質問で、前市長による職員へのハラスメントに関する情報提供をめぐる答弁で公私の区別のちぐはぐさを露呈した。問題の解決は見通せない状況が続いている。
伊藤哲朗市議(自民)は、長坂市長が今年3月7日に開いた緊急記者会見について質問。この会見で長坂市長は、市職員とされる匿名の人物から前市長によるハラスメント被害を訴える文字情報が寄せられたと明らかにしていた。
昨年11月の市長選で、長坂市長の陣営は市内に新聞折り込みで配布した法定ビラに、対立候補だった前市長が職員にパワーハラスメントをしていたとするネット記事を引用した。長坂市長に反発する市議会多数派が選挙後に問題視したことを受け、市は調査委員会を立ち上げて調査し、前市長によるパワハラは確認できなかったとする報告書を3月4日に公表した。
その3日後の緊急会見で長坂市長は、前市長による職員のハラスメント被害について第三者での調査に向けた検討を始めるよう庁内に指示したと説明した。
一般質問で現状を尋ねた伊藤市議に対し、長坂市長は「公務とは別」に弁護士に文字情報を見てもらい、確かに市職員からの情報提供だとの確認を得たと主張。ただし、個人が特定されないことを情報提供者が希望しているため、いまだに市内部で情報共有できず、公費を使う第三者による調査には至っていないことを明かした。今後の対応についても「具体的なスケジュールは持ち合わせていない」とした。
第三者による調査が「いつになったらできるのか」と食い下がる伊藤市議に広地学総務部長は「仮に私費で市長がやられるなら、やっていただければ」と答えたが、長坂市長は「私費での活動について、ここで答えるべきではない」と述べた。公務外で弁護士に文字情報を確認してもらったと言いつつ、私費での調査への言及を避ける態度に伊藤氏は「しっくりこない」と不満をあらわにした。
長坂市長は「私費での調査は現時点で考えていない。私(わたくし)としての調査で部下である職員に調査協力を求めること自体もかなり危ういことだ」と語った。