葺石再現や擬木階段 案内看板など整備
2025/04/27
斜面の一部で再現された葺石。後方が古墳(豊川市船山古墳公園で)
豊川市八幡町上宿の「豊川市船山古墳公園」で26日、開園式があった。市指定史跡で、三河地方では最大規模の古墳が公園化され、上宿地区の住民らが祝福に駆け付けた。
園内は約3500平方メートル。頂上部まで続くルートなど5カ所に擬木階段が設置され、約15本の大木を切るなどして視界が開けた。一部の斜面には崩落防止や墳丘表面を飾る目的で施された葺(ふき)石が音羽川の石で再現され、案内看板と車3台分の駐車場も整備された。
船山第1号墳は全長約95㍍の三段築成の前方後円墳。発掘調査でくびれ部の両側に「造り出し」という祭壇があり、円筒埴輪(はにわ)や土製品などの出土品から、古墳時代中期の築造とされる。この地方一帯を治めていた権力者の墓と推定され、頂上部付近にはまだ埋葬品が眠っていると推測される空間もある。
開園に立ち会った竹本幸夫市長は「地域がこの場所を守ってきたことが保存につながった。今後も地元に愛され、多くの人が訪れる場所になってほしい」と期待し、除草などで管理していく上宿の村井雄区長も「我々のより身近なものになった。頑張って古墳を守っていきたい」と意気込んだ。
開園は地域の祭礼「上宿大祭」に合わせて設定され、氏子会による甘酒接待や、市による古墳の形をしたマグネット配布などもあった。