長坂市長の「判断」に苦言も

「公務として行った」緊急会見の是非 論点に/前市長ハラスメント問題で豊橋市議会一般質問

2025/06/12

豊橋市議会の本会議で議員から一般質問を受ける長坂市長(議場で)

 豊橋市の前市長による職員へのハラスメントに関する情報提供は、これを公表した長坂尚登市長を取り巻く問題としてくすぶり続けている。11日の市議会6月定例会の一般質問では、今年3月7日の緊急記者会見の開催の是非が論点として浮上した。

 一般質問で星野隆輝市議(まちフォーラム)は、市職員とされる匿名の人物から前市長によるハラスメント被害を訴える文字情報が寄せられたと長坂市長が公表した緊急会見について、どういう立場で開いたのかをただした。長坂市長は「公務として行った」と答弁した。

 一方、市内部で文字情報を確認したのは長坂市長だけで、当局がその存在を「公に証明できない」状態で副市長2人を会見に同席させ、第三者での調査に向けた検討を庁内に指示したことを星野市議は「職権乱用だ」と問題視。長坂市長は「職権乱用までは至っていない」との認識を示した。

 「私的文書で行政組織を動かせると思った根拠は何か」と畳みかける星野氏に対し、長坂市長は「私がそう判断した。出した指示が実行できるかどうかは組織として対応する」と釈明したが、星野氏はそれは会見前に組織の「内々でやるもの」だとして「公人としての市長の発言の重みを考えた方が良い」と苦言を呈した。

 昨年11月の市長選で長坂氏の陣営は、対立候補だった前市長が市職員にパワーハラスメントをしていたとするネット記事を引用した法定ビラを市内に配った。市の調査委員会は今年3月4日、前市長によるパワハラは確認できなかったとする報告書を公表。長坂市長は同7日に開いた緊急会見で、前市長からのハラスメント被害に関する情報提供があったことを明らかにした。

 この問題は10日の一般質問でも議論され、第三者による調査のめどが立っていないことが判明した。

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