士業が斬る!
弁護士法人フルサポート代表・西面 将樹
2023/05/21
西面将樹さん
日本の「所有者不明土地」の総面積は、九州の面積よりも広いことをご存じでしょうか。
「所有者不明土地」とは①不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地、②所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地のことを言います。このような土地は所有者を見つけることが難しく公共事業や土地開発の大きな障壁になっています。
所有者不明土地は今も増え続けており、2040年には北海道の面積に匹敵すると予想されています。増えている大きな原因は、相続の際に登記名義を移転しなくても不利益がないことが多いため、放置されがちになるからです。
このような放置を防止するために、法改正が行われました。来年4月からは、不動産を取得した相続人には、取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられます。また、施行前の相続でも、義務化の対象(3年間の猶予期間あり)になります。正当な理由のない申告漏れには10万円以下の過料の罰則が科せられることがあります。
相続は、被相続人の地位を包括的に受け継ぐことです。預金だけでなく、土地などの手続きも済ませる必要があります。法改正を機に、土地の登記名義を確認してみてはいかがでしょうか。
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