超音波でがん細胞可視化

豊橋技科大と本多電子ー医療現場の実用化に期待

2013/09/23

音響インピーダンス顕微鏡と吉田祥子講師(豊橋技術科学大学で)

 がん細胞を超音波で可視化し、短時間で識別・病理検査できる技術を、豊橋技術科学大学(豊橋市天伯町、榊佳之学長)と本多電子(豊橋市大岩町、本多洋介社長)が共同で開発した。技術開発には豊橋市も補助金を支出しており、「メイドイン豊橋」の技術として、医療現場での実用化が期待されている。

 開発したのは、豊橋技科大環境生命工学系講師の吉田祥子氏と、本多電子研究部長、小林和人氏らの研究グループ。新技術では、摘出した腫瘍組織をプラスチック板にのせ造影剤として亜鉛溶液をかけると、がん細胞だけが亜鉛を取り込み重くなり、超音波を当てるとそこだけ反射が強くなる性質を利用している。

 研究グループは、超音波の反射を利用した「音響インピーダンス顕微鏡」を開発し、マウスの肝臓にできたがん組織を使った実験を行い、がん細胞の分布を観察することに成功した。

 新技術が実用化されれば、簡単にがん細胞と正常細胞の識別ができる。ベテランの病理医がいなくても、手術中に短時間で病理検査が可能となり、切除する部位の判別に利用できるという。

 研究開発には、新事業創出を支援する「豊橋市イノベーション創出等支援事業」として、豊橋市が第三セクターのサイエンス・クリエイトを通じて補助金を支出しており、豊橋の産学官連携により生まれたバイオイノベーション技術として医療現場での実用化が期待されている。今後は、多様ながん細胞を識別できる精度向上や小型化を図り、5年以内の実用化を目指していく。

2013/09/23 のニュース

音響インピーダンス顕微鏡と吉田祥子講師(豊橋技術科学大学で)

有料会員募集

今日の誌面

きらり東三河

東三河学生就職NAVIリクルーティング

東三河学生就職NAVIリクrooting2025

高校生のための東三河企業情報サイト

税理士法人ひまわり

連載コーナー

ピックアップ

Copyright © TONICHI NEWS. All rights reserved.

PAGE TOP