時代のニーズに合った製品開発

プレカット加工機国内シェア5割の宮川工機

2013/11/02

工場を見学する永田副知事へ、説明を行う宮川社長㊧

 木造住宅で使用する木材の加工機を製造・販売する宮川工機(豊橋市花田町、宮川嘉隆社長)は、建材を工場で切断などする「プレカット」加工機を国内で初めて開発し、シェアは約5割を誇る。木材の利用促進を進める国からの期待も高く、加工機を使う工場への生産支援システムを売り出すなど、時代のニーズに合った製品の開発にも力を入れている。

 同社は1976年に木材の接合部分を加工する機械を発売。その後、CAD(コンピューター設計)と接続した加工機の開発を進め、ハウスメーカーや材木商などを主な顧客としている。0・ミリ以下の誤差で加工を施す精度と、迅速な施工力を併せ持った加工機は手作業が中心だった建設現場に新たな風を吹き込んだ。

 林野庁によると、昨年着工された新築住宅の55%が木造。調査では、約8割が木造住宅を希望するなど潜在的な需要は大きいとしている。しかし不景気の影響もあり、近年は住宅の着工数自体が減少している現状がみられる。

 こうした動向を受けて同社は昨年、顧客とする工場の省力化を図るプレカット生産支援システム「BRAIN(ブレイン)8」を発売した。生産から営業、在庫管理などを一括管理できるシステムで、全業務の情報をリアルタイムで共有することが可能。コスト削減や業務の効率化を図ることができる。同社業務部の鈴木茂部長代理は「木造住宅の合理化を進める機械の開発を、今後も進めていきたい」と展望を語る。

 林野庁では、住宅に限らず、大規模な建物も木造を使用する方針を推し進め、国内林業の活性化を図っている。同社には、新たにJASに登録される予定である、大型建造物に使う木材の加工機を開発する期待も高まっている。

 今年8月には、林野庁の沼田正俊長官が同社を訪問。9月には県の永田清副知事が訪れるなど、多方面から熱い視線が注がれている。鈴木部長代理は「多様なニーズに対応した機械を開発していきたい」と意気込む。

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